SEOコンサルの相談事例|アクセス減少をどう調べ、改善の順番を決める?
アクセスが減ると、記事を書き直したり、新しい記事を増やしたりしたくなるかもしれません。ただし、数字が下がった理由を確かめる前に作業を増やすと、優先すべき課題を見落とすことがあります。この記事では、実際の相談で扱った論点をもとに、数字の見方と改善の順番を紹介します。
SEOコンサルが相談を受けてから改善を進めるまでの全体の流れは、SEOコンサルの進め方で解説しています。
この記事でわかること
- アクセス減少の相談で、最初に確かめる数字と順番
- Googleサーチコンソール(GSC)とGoogleアナリティクス4(GA4)の数字の違い
- 原因を決めつけずに、修正候補を分けて優先順位を付ける方法
- 修正後に効果を振り返るための作業記録の付け方
おすすめの読者層
- 御社サイトのアクセスや問い合わせが減って、何から手を付けるか迷っているWeb担当者の方
アクセスが減ったときに確かめる順番
この記事では、次の順番で数字を確かめていきます。この記事の見出しも、この順番に沿っています。
| 順番 | 確かめること | 使う主な数字 |
|---|---|---|
| 1 | 何が減ったのか(表示・クリック・訪問・申込のどれか) | GSCの表示回数・クリック数、GA4の訪問・キーイベント |
| 2 | 比べている期間と対象はそろっているか | 前年同期との比較、ページ・検索語ごとの内訳 |
| 3 | 問い合わせとして数えている行動は正しいか | GA4のキーイベントの設定、実際に届いた件数 |
| 4 | 検索での課題か、サイト内の案内の課題か | ページ別・検索語別の表示、順位、クリック率、申込 |
| 5 | どのページから直すか | 影響の大きさと作業量 |
| 6 | 修正後に何を見るか | 作業記録と、同じ条件での数字 |
相談では「何が減ったか」から確かめる
「アクセスが減った」という言葉は、人によって指しているものが違います。検索結果で表示される回数が減ったのか、クリックが減ったのか、サイトへの訪問が減ったのか、それとも申込が減ったのか。最初にここを分けるだけで、調べる範囲がかなり絞れます。
検索表示・クリック・訪問・申込を分ける
それぞれの数字は、記録している場所も役割も違います。同じものとして比べないことが大切です。
| 数字 | 主な取得元 | 役割 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 表示回数 | GSC | 検索結果にどれだけ表示されたか | 順位や検索の需要が変わると増減する |
| クリック数 | GSC | 検索結果上で何回クリックされたか | 順位だけでなく、タイトルや検索結果の見え方でも変わる |
| 訪問(セッション・ユーザー) | GA4 | サイトに来た人の数と行動 | 検索以外(直接・広告・SNS・AIなど)も含まれる |
| 申込 | 実際の受付件数(GA4のキーイベントは目安) | 事業の成果 | GA4の件数と、実際に届いた件数が一致するとは限らない |
比較する期間と対象をそろえる
比較対象の期間に対し減っていたとしても、それだけで「悪くなった」とは言えません。比較対象の時期に季節の山や、一時的に話題になったページの流入が含まれていると、減少幅が大きく見えるためです。
Googleも、検索トラフィックの減少を調べるときは長い期間で推移を見て、前年同期とも比べるよう案内しています(Google 検索トラフィックの減少をデバッグする)。毎年同じ時期に減っているなら、その現象は季節による変化の可能性があります。
合計値だけを見ずに、ページごと・検索語ごとに分けて見ることも欠かせません。サイト全体が少しずつ減っているのか、特定のページだけが大きく減っているのかで、次に確かめることが変わります。
複数の相談では、流入の減少をすぐに順位低下と結びつけず、どの数字が、どの範囲で変わったのかを確認しました。検索語やページごとの動き、比較期間、集計する対象が違うと、合計値だけでは判断しにくいためです。
減少には「特定のページだけが下がっている」「比較期間の特徴に左右されている」「検索以外の流入増減によるもの」など様々なパターンがあり、それぞれで対応や判断が変わってきます。
問い合わせとして数えている行動を確認する
申込や問い合わせの数が減ったように見えるときは、まず「何を1件として数えているか」を確認します。計測の設定が変わっていたり、もともと意図と違う行動を数えていたりすると、数字だけを見て判断を誤ります。
サイト内の移動と申込完了は別
GA4では、計測したい行動を「キーイベント」として設定します。ここに何を設定しているかで、件数の意味がまったく変わります。
| キーイベントにしている行動の例 | 数字が意味すること |
|---|---|
| お問い合わせページを表示 | 問い合わせに興味を持った人の数(申込の数ではない) |
| フォームの送信完了ページを表示 | 送信まで進んだ数(営業の連絡などが含まれることもある) |
| 電話番号をタップ | 電話をかけようとした数(実際につながったかは分からない) |
| 実際に受け付けた問い合わせ | 事業の成果。社内の受付記録と照らし合わせて確認する |
相談では、成果として数える行動の定義も確認しています。サービスページを見ることと、申込を完了することは別の行動です。管理画面上の件数を読む前に、何を1件としているかをそろえる必要があります。
相談の場では、「GA4のキーイベントには何を設定していますか」と確認することがあります。管理画面の件数と、社内で受け付けた件数を照らし合わせて初めて、数字の意味が分かります。
計測の変更前後は単純比較しない
キーイベントの設定を直した、計測タグを入れ直した、フォームの仕組みを変えた、といった変更があった場合、その前後の数字は同じ物差しで測っていません。変更日をまたいで比べると、実際には変わっていないのに増えた・減ったように見えることがあります。
また、サイト内のリンクにキャンペーン計測用のパラメータ(UTM)を付けていると、GA4ではそのリンクを押した時点で流入元が付け替えられ、どのページから来た人なのかを追えなくなることがあります。社内リンクには、原則として付けないようにします。
計測の確認が済んだら、次は数字の変化を、どこを直せばよいかの候補に分けていきます。
原因を決めつけず、修正候補を分ける
数字の確認が済んだら、いよいよ原因の候補を考えます。ここで大切なのは、1つの原因に決めつけないことです。数字の動き方から、確かめる場所を絞り込んでいきます。
検索での課題か、サイト内の案内か
次の表は、数字の動き方ごとに、次に確かめることを整理したものです。原因を確定するための表ではなく、確認を始める入口として使ってください。
| 数字の動き | 次に確かめること | 課題の場所 |
|---|---|---|
| 表示回数が減った | 検索語別・ページ別に、どこが減ったか。トレンドの変化か、順位の変化か | 検索での課題 |
| 表示は横ばいでクリックが減った | 順位とクリック率。検索結果のタイトルの見え方、AIによる概要など検索結果の変化 | 検索での課題 |
| 特定のページだけ表示が急に減った | noindexの設定、転送やURLの変更、ページが表示されない(404など)といった技術的な問題 | 検索での課題 |
| サイト全体が同じ時期に変化した | Googleのアルゴリズムの更新時期、サイトの移転や大きな改修の時期と重なっていないか | 検索での課題 |
| 訪問はあるが申込が少ない | 読まれているページから、サービスの説明や問い合わせへ進める案内があるか。支援内容と読者の悩みが合っているか | サイト内の案内 |
相談では、検索から読まれる記事があっても、サービスの説明や問い合わせへ進みにくい場合には、既存ページの案内を整える提案を行いました。流入を増やす修正と、相談につなげる修正を分けることで、今取り組む作業を決めやすくなります。
影響と作業量から優先するページを選ぶ
修正候補が複数出てきたら、事業への影響と作業量で順番を決めます。考え方の例は次のとおりです。
- 影響が大きいページを先に
申込につながるページや、検索結果で多く表示されているのに順位があと一歩で止まっているページは、直したときの影響が大きくなりやすい。 - 作業量が小さいものを先に
リンクの追加やボタンの位置の変更など、管理画面ですぐ直せるものから着手する。 - 話題性だけのページは追わない
一時的に話題になって流入が増えたページは、話題が落ち着けば流入も戻る。申込につながりにくい場合は、無理に元の数字に戻そうとしない。
前回の打合せで決めた修正がまだ実施されていない場合、数字が戻らないのは自然なことです。その場合は、新しい原因を探すより先に、決めた修正を実施することを優先します。
修正後は変更内容と数字をセットで振り返る
修正したら、その内容と日付を残しておきます。記録がないと、数字が動いたときに、どの修正の影響なのかを振り返れません。
変更日・対象ページ・担当を残す
次のような作業記録を用意しておくと、社内で共有しやすくなります。
| 変更日 | 対象URL | 修正した内容 | 担当 | 確認するべき数字 | 次回確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| (例)○月○日 | (対象ページのURL) | 料金説明の後にサービス紹介へのリンクを追加 | 更新担当 | リンクのクリック、申込完了 | ○月○日 |
修正の効果は、すぐには数字に表れないことがあります。Googleも、サイトを変更してから効果が出るまでに数日から数か月かかることがあるとし、数週間おいてから改めて分析するよう案内しています(出典)。特に、流入が少ないページはさらに長い期間で見る必要があります。
相談件数と成約を分けて追う
SEOの成果は、申込の件数だけでは測りきれません。申込があっても、相談や商談につながらなければ、事業の成果にはならないからです。可能であれば、申込・相談の実施・成約を分けて記録することをおすすめします。どこで止まっているかが分かれば、次に直す場所も決めやすくなります。
今回紹介した内容は、実際にコンサル時に相談された問題点と改善の考え方です。この記事だけで、個別の修正によって順位や売上が改善したとは判断できません。御社で実施する際は、変更内容を記録し、同じ条件で数字を確認する必要があります。
SEOコンサルから受け取る修正指示を、作業できる形になっているか確かめる方法は、SEOコンサルの提案書で確認する7項目でチェックリストとともに解説しています。
アクセス減少についてよくある質問
Googleのアップデートと時期が重なったとき、どう確かめればよいですか?
まず、重なったとされる更新の期間を確かめます。Googleは検索ステータスダッシュボードで、コアアップデートなどランキングの更新の開始日と終了日を公開しています。次に、GA4の「レポート」>「集客」>「トラフィック獲得」を開きます。ここでは「セッションのデフォルトチャネルグループ」ごとの数字が見られ、自然検索は「Organic Search」です。更新の期間に自然検索だけが減っているのか、他のチャネルも同じ時期に減っているのかを比べると、検索側の変化かどうかの見当が付きます。
Search Consoleで、もっと前の期間と比べたいときはどうすればよいですか?
Search Consoleの検索パフォーマンスで見られるデータは、過去16か月分までです。それより前の期間は管理画面では見られないため、比べたいときは御社で定期的にデータをエクスポートして保存しておく必要があります。手作業で保存するほかに、BigQueryへ一括でデータをエクスポートする公式の機能もあります。今から保存を始めておけば、来年以降の比較に使えます。
社内では何から確認すべきか迷ったら
ここまでの手順を社内で進めるのが難しい場合や、数字を確認しても判断に迷う場合は、サイトを一緒に見ながら整理する方法もあります。
無料のSEOコンサル1回体験では、オンライン約30分でサイトの課題を整理します。優先する改善点を1つ取り上げ、どこを・どう直すかを具体的にお伝えします。
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記事を増やしても検索順位が上がらない…なぜ?
記事を増やしても検索順位が上がらない…なぜ?
順位が上がらない原因は、新しく足すものではなく、これまで作ってきたページの中にあることがあります。
例えば、同じ内容のページが複数のURLで存在している、サイト内のページ同士が同じキーワードを奪い合っている、Googleに認識されていないページがある、といった状態です。
こうした問題は、サイトを運用している側ほど気づきにくいものです。
ご依頼のURLをもとにサイト全体を調べ、見直すべき箇所と直す順番を無料でお伝えします。
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