司法書士のSEO対策|広告の規律と業務範囲・手続キーワード・口コミの扱いまで解説
司法書士事務所のホームページを作ったのに、問い合わせが増えない。相続登記や債務整理のページをどこまで書いてよいのか、実績や口コミを載せてよいのかも分からない。そう悩んでいる事務所の代表やWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、司法書士のSEO対策は「地域名+司法書士」ではなく、相続登記や成年後見といった手続そのものの検索を入口にするのが基本です。そのうえで、所属する司法書士会の広告規則と業務範囲の中で、ページを書いていきます。
当社ツールで調べると、「東京 司法書士」の月間推定検索数は312回です。一方で「相続登記」は17,760回、「成年後見」は26,480回あります。しかも「相続登記 自分で」は1,520回で、「相続登記 司法書士」800回の約2倍でした。相続登記では、司法書士を探す検索より、自分で手続する方法を調べる検索のほうが多いというわけです。
もう一つの前提が規制です。司法書士法には広告の条文がありませんが、日司連の行為規範と所属会の広告規則が、虚偽・誇大・比較などの広告を禁じています。事務所のサイトもGoogleビジネスプロフィールも、この規律の対象になる広告です。
今回は司法書士事務所の代表とWeb担当者に向けて、広告の規律と業務範囲、キーワードの考え方、業務ページの書き方、口コミと事例の扱い、事務所の名称とGoogleビジネスプロフィール、SEO会社との契約の形を解説します。
他の士業と共通する考え方は「士業のSEO対策」で、SEOそのものの基礎は「SEOとは」で解説しています。
この記事でわかること
- 司法書士の広告にかかる4層の規律(司法書士法・行為規範・所属会の会則・広告規則)と、事務所サイトやGoogleビジネスプロフィール、手続の解説ページも広告として扱われること
- 「地域名+司法書士」より「相続登記」「成年後見」など手続の名前の検索が入口になる理由と、「相続登記 自分で」が「相続登記 司法書士」の約2倍ある独自データ(当社ツールaramakijake.jp)
- 相続登記の義務化・成年後見・債務整理(対面面談・債権1本ごとに140万円以下・報酬の上限)のページを、資格ごとに決まっている業務範囲の中で書く方法
- 解決事例・口コミの扱い、事務所の所在地と名称、ポータル・SEO会社との契約を定額にする理由
おすすめの読者層
- 司法書士事務所・司法書士法人の代表で、Webからの問い合わせを増やしたい方
- 司法書士事務所のWeb担当者や、司法書士のサイトを制作・運用する担当者
1. 司法書士のSEOで最初に押さえること(広告の規律)
日本司法書士会連合会(以下「日司連」)によれば、司法書士の全国会員数は2026年4月1日時点で23,505人です。11年前の2015年4月1日時点の21,658人から、約1.09倍に増えました。
このうち、簡裁訴訟代理等関係業務の認定を受けた司法書士(認定司法書士)は18,698人で、全体の80%です。簡易裁判所の事件(訴額140万円以下)の代理や、140万円以下の債権についての債務整理の交渉を扱えるのは、この認定を受けた司法書士に限られます(司法書士法3条)。
出典: 日司連「会員数データ」(2026年4月1日現在)、同「司法書士白書2025年版」第1章、司法書士法 3条
司法書士の広告にかかる4層の規律
司法書士法には、「広告」を直接定めた条文がありません。その代わりに、次の4層の規律が重なってかかります。
| 階層 | 条項 | 内容 |
|---|---|---|
| 法律・省令 | 司法書士法2条・23条、施行規則26条 | 品位の保持、会則を守る義務、不当な手段による依頼の誘致の禁止 |
| 日司連 | 司法書士行為規範17条・12条 | 虚偽・誤認のおそれがある広告と品位を損なう広告の禁止、紹介の対価の禁止 |
| 所属会の会則 | 例: 東京会則101条、神奈川会則92条 | 虚偽・誇大な広告、品位を欠く広告の禁止 |
| 所属会の広告規則 | 例: 大阪・福岡の広告規則 | 禁止する表現の列挙、必ず載せる表示、広告物の保存義務 |
債務整理については、日司連の「債務整理事件の処理に関する指針」19条がこれに加わります。有利な結果の保証や、面談前に減額を期待させる表示が禁じられています(第3章)。
所属会の会則や規則に違反すると、司法書士法23条(会則を守る義務)の違反として、法務大臣の懲戒の対象になりえます。例えば、不当な手段による誘致は、法務省の処分基準では「戒告または2年以内の業務停止」です。
細目は会ごとに違います。この記事では大阪と福岡を例にしますが、公開前には、必ず所属会の広告規則を確認してください。
出典: 司法書士法 2条・23条・47条、司法書士法施行規則 26条、日司連「司法書士行為規範」12条・17条、東京司法書士会会則 101条、神奈川県司法書士会会則 92条、大阪司法書士会 広告規則、福岡県司法書士会 業務広告規則(令和6年10月1日施行)、法務省「懲戒処分の考え方(処分基準等)」
事務所のサイトもGoogleビジネスプロフィールも広告として扱われる
「広告規制が厳しいから、自然検索で上位のページなら強みや実績を自由に書ける」という考え方は誤りです。大阪司法書士会の運用指針は、事務所の連絡先を載せたブログや、客観的に顧客を誘う目的と受け取れるホームページを、広告と判断するとしています。
福岡県司法書士会の規則も、広告の定義に「電磁的方法」を含めています。事務所サイト・Googleビジネスプロフィール・SNSの投稿・ポータルの掲載ページは、すべて同じ規律の対象というわけです。
出典: 大阪司法書士会 広告規則の運用指針 第2の2(2)、福岡県司法書士会 業務広告規則 2条
2. 司法書士のキーワードの考え方(地域名より手続の名前)
司法書士を探す人の検索は、大きく次の3つに分けられます。
- 「大阪 司法書士」のように地域名から探す
- 「相続登記」「会社設立」のように手続の名前から探す
- 「相続登記 自分で」のように、自分で手続きできるかを調べる
依頼者が司法書士をどう探すかを示す公的な統計は確認できていないので、当社ツールの検索数から言える範囲で書きます。
「地域名+司法書士」は主要都市でも月数百回から1,000回前後
| 地域 | 「〇〇 司法書士」 |
|---|---|
| 東京 | 312 |
| 大阪 | 704 |
| 名古屋 | 168 |
| 福岡 | 1,040 |
| 横浜 | データなし |
| 神戸 | 384 |
| 札幌 | 208 |
| 京都 | 208 |
※当社ツール「aramakijake.jp」によるGoogleの月間推定検索数(2026年9月25日調べ)。推定値なので、実際の検索回数とは異なる場合があります。
地域名に業務名を足すと、さらに小さくなります。例えば「大阪 司法書士 相続」は88回で、「東京 相続登記」と「大阪 相続登記」はそれぞれ8回でした。
この場合、市区町村ごとに地域ページを量産しても、入口は大きくなりません。地域ページは対応エリアを説明する1ページにとどめ、所在地と連絡先は、登録した事務所の1か所だけを載せます(第5章)。
手続の名前の検索は地域名より大きい
| キーワード | 月間推定検索数 | 対応するページ |
|---|---|---|
| 成年後見 | 26,480 | 成年後見の解説(申立書類の作成の案内) |
| 相続登記 | 17,760 | 相続登記のページ |
| 家族信託 | 14,480 | 家族信託の解説(扱える範囲は所属会に確認) |
| 会社設立 | 11,840 | 会社設立・商業登記のページ |
| 相続登記 義務化 | 7,920 | 義務化の解説コンテンツ |
| 不動産登記 | 7,920 | 不動産登記のページ |
| 相続 司法書士 | 5,280 | 相続のページ |
| 所有権移転登記 | 4,320 | 不動産登記(売買・贈与)のページ |
| 相続登記 費用 | 3,520 | 報酬ページ |
| 抵当権抹消 | 3,520 | 抵当権抹消の解説 |
| 債務整理 司法書士 | 2,320 | 債務整理のページ(認定司法書士) |
| 相続登記 司法書士 | 800 | 相続登記のページ |
| 司法書士 費用 | 576 | 報酬ページ |
※出典・調査日は上の表と同じ。
「相続登記」は17,760回で、「東京 司法書士」の約57倍です。「成年後見」は26,480回、「会社設立」は11,840回あり、ここに挙げた業務の検索は、いずれも地域名の検索より大きいというわけです。
ただし、手続の名前の検索には、制度を調べる人・親族・同業者も含まれます。例えば「成年後見」を調べる人の全員が、申立ての支援を探しているわけではありません。
それでも、司法書士のサイトでは、地域ページより手続ごとのページが検索の入口になりうる、というのがこのデータから言える範囲です。
「自分で」の検索は手続を解説するページの入口になりうる
| キーワード | 月間推定検索数 |
|---|---|
| 相続登記 自分で | 1,520 |
| 相続登記 司法書士 | 800 |
| 抵当権抹消 | 3,520 |
| 抵当権抹消 自分で | 800 |
※出典・調査日は上の表と同じ。
「相続登記 自分で」は1,520回で、「相続登記 司法書士」800回の約2倍です。「抵当権抹消 自分で」も800回あります。依頼先を探す前に、まず自分で手続きできるかを調べる人が一定数いることになります。
この人たちに応えるのが、手続の流れ・必要書類・登録免許税を正確に解説するページです。例えば、相続登記なら義務化の期限と相続人申告登記まで、抵当権抹消なら金融機関から受け取る書類まで書きます。
ただし、限界もあります。自分で手続きしようと調べている人は、そのまま自分で済ませることも多く、依頼者になるとは限りません。
当社は、解説ページの末尾に「司法書士に頼んだ場合の違い」を、事実の範囲で添えることをおすすめします。例えば、申請を代理できること、報酬と実費の区分、相談の受け方です。不安をあおる書き方は、福岡の規則が禁じる「過度な不安をあおる広告」に当たりうるので避けてください。
3. 司法書士のサイトに必要なページと業務範囲を守る書き方
相続登記のページは義務化を条文どおりに書く
「相続登記 義務化」は7,920回あります。相続で不動産を取得した人は、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に、所有権移転の登記を申請する義務があります(不動産登記法76条の2第1項)。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象です(164条1項)。
3年以内に「相続人申告登記」をすれば、この義務を果たしたものとみなされます(76条の3第2項)。ただし、その後に遺産分割で不動産を取得したときは、分割の日から3年以内に登記を申請する義務があり、これにも過料があります(76条の3第4項・164条1項)。
施行日は2024年(令和6年)4月1日で、施行前に開始した相続も対象です。施行前に相続の開始と所有権の取得を知っていた場合の期限は、2027年(令和9年)3月31日です。
過料は刑罰ではないので、「罰金」とは書きません。
書ける範囲にも注意が必要です。遺産分割は家庭裁判所の家事事件で、司法書士の代理権は、簡易裁判所の民事訴訟の対象に限られます。なので、相続人の間の遺産分割の交渉や調停の代理は、司法書士にはできません。「相続トラブルも間に入って解決」とは書けず、弁護士につなぐことを明記します。
相続税の申告と税務相談は、税理士の業務です(税理士法2条・52条)。遺産分割協議書は相続登記の添付書面として作成できますが、登記と関係のない協議書を扱えるかは一次資料に明示がないので、所属会に確認してください。
出典: 不動産登記法 76条の2・76条の3・164条、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」、家事事件手続法 別表第二、弁護士法 72条、税理士法 2条・52条
不動産登記と会社設立のページは担当する士業を明記する
売買や贈与による所有権移転登記や、抵当権抹消登記の申請代理は、司法書士の独占業務です(司法書士法3条1項1号・73条1項)。
会社設立も、設立登記の申請代理は司法書士の独占業務です。一方、税務署への届出や許認可の申請には、税理士・行政書士が関わります。
この場合、会社設立のページでは、どの士業がどこまで担当するかを明記します。依頼者がそれぞれの士業と直接契約する形にすることを、当社はおすすめします。
定款は行政書士も作成する書類で、認証は公証人が行います。司法書士が定款の作成や認証手続をどこまで扱えるかは一次資料で確認できなかったので、自事務所で引き受ける場合は所属会に確認したうえで、ページに担当範囲を書いてください。
出典: 司法書士法 3条・73条、日司連「司法書士行為規範」12条
成年後見のページは家庭裁判所が選ぶことを書く
司法書士は、後見開始の申立書類の作成を支援し(司法書士法3条1項4号)、後見人・保佐人・補助人に就任することもできます(施行規則31条2号)。
ただし、成年後見人は、家庭裁判所が職権で選びます(民法843条1項)。「当事務所が後見人になります」とは書けません。
出典: 司法書士法施行規則 31条、民法 843条
債務整理のページは面談・範囲・報酬の3点を明記する
任意整理や過払金返還請求の代理を案内できるのは、認定司法書士だけです。自己破産・個人再生の申立書類の作成は認定がなくても扱えますが、どちらの場合も、書く内容には日司連の指針による決まりがあります。
1つ目は面談です。受任する予定の司法書士本人が、依頼者と対面で面談するのが原則です(指針4条1項)。テレビ電話やウェブ会議は、依頼者に面談できない合理的な理由があり、依頼者自身が希望した場合の例外に限られます。
事務所の側からウェブ面談へ誘導することは禁止で(同条2項)、「来所不要・オンライン完結」を売り文句にするページは作れません。
2つ目は範囲です。認定司法書士が裁判外の和解を代理できるのは、個別の債権の額が140万円以下の場合です(最高裁 平成28年6月27日判決)。基準は債権1本ごとで、借金の総額ではありません。超える債権は弁護士に引き継ぐことを、ページに書きます。
3つ目は報酬です。指針は上限を定めています。例えば、任意整理は債権者1社あたり5万円が上限で、これは着手金とその後の報酬などを合計した額です。
減額報酬は減額された元本の10%、過払金は回収額の20%(訴訟なら25%)が、それぞれ別の上限です(9〜11条。消費税を除く)。任意整理では、これ以外の名目の報酬は受け取れません(13条)。
表示にも制限があります。面談の前に過払金の発生や減額を期待させる表示は禁止で(19条2項)、指針の解説は「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」「国が認めた救済制度」を、表示してはならない例に挙げています。減額できる額や過払金の有無は、面談して取引履歴を確認するまで分からない、と書きます。
2026年6月に日司連が公表した処分では、債務整理で依頼者と対面で面談せず、メールと電話だけでやり取りし、和解の説明や弁済代行も怠った司法書士法人と社員が、業務停止1週間になりました。依頼者が電話での面談を希望していた事情も考慮されましたが、処分は避けられていません。
出典: 日司連「債務整理事件の処理に関する指針」4条・9条〜13条・19条、同「指針の解説」p.3・p.14、最高裁 平成28年6月27日判決、日司連「綱紀事案一覧」(2026年6月10日公表分)
報酬ページと代表紹介は証明できる事実だけを書く
司法書士は受任前に報酬の基準を示す義務があるので(施行規則22条)、ページには算定方法、登録免許税などの実費との区分、追加費用がかかる条件を書きます。
「相談無料」と書くなら実際に無料にし、時間や回数の条件を併記します。実際には有料なのに相談無料と表示することは、大阪の運用指針が事実に合致しない広告の例に挙げています。「キャンペーン期間中につき報酬割引中」も、金品による誘致の違反例です。
代表紹介では、氏名・登録番号・所属会・認定の有無・経歴を、事実だけで書きます。Googleの検索品質評価ガイドラインは、経済的な安定に関わる話題を「YMYL」の類型に挙げ、E-E-A-Tの中心は信頼性だとしています。
相続・登記・債務整理はこれに該当しうるので、当社は代表紹介と著者表示を置くことをおすすめします。
広告に必ず載せる表示も決まっています。大阪・福岡の規則では、事務所の所在地、氏名、司法書士であることの3点で、法人は所在地と名称です。大阪では、簡裁代理を扱う法人は特定社員が常駐していることも明示します。広告物は、広告が終わってから3年間保存します(大阪・福岡)。
出典: 司法書士法施行規則 22条、大阪司法書士会 広告規則 3条・6条・8条・9条、同 運用指針、福岡県司法書士会 業務広告規則 10条・12条・13条、Google「検索品質評価ガイドライン」(2025年9月11日版)
手続の解説コンテンツは個別の見通しを断定しない
第2章で見た「相続登記 自分で」「抵当権抹消 自分で」に応えるのが、手続の解説コンテンツです。記事の書き方は「SEOライティングとは」で説明しています。
法令の一般的な解説を書くこと自体は制限されていませんが、事務所サイトの解説ページも、連絡先を載せていれば広告として扱われます(第1章)。条文と施行日は一次資料どおりに書き、広告規則に反する表現を使わないようにします。
注意点は3つです。個別の案件の見通しを断定しないこと、個別の相続税額の計算や遺産分割の交渉のように他士業の業務に踏み込まないこと、「他の事件と同じ結果になる」と思わせる書き方をしないことです。
出典: 大阪司法書士会 広告規則の運用指針 第2の2(2)、税理士法 2条・52条

4. 使えない表現と口コミ・解決事例の扱い
「過払金100%回収」「No.1」などの使えない表現
| 表現 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 「〇〇事務所より安い」など他事務所との比較 | 不可 | 比較広告の禁止(大阪3条4号、福岡3条5号)。名前を出さなくても特定できれば該当 |
| 「過払金100%回収」「どんな事件でも解決」 | 不可 | 誇大・過度な期待を抱かせる広告(大阪3条3号)。有利な結果の保証(債務整理指針19条) |
| 「勝訴率〇%」 | 不可(福岡) | 福岡4条1号が表示できない事項に挙げる |
| 実体のない「〇〇相続センター」「ワンストップサービス」 | 不可 | 事実に合致しない広告(大阪運用指針) |
| 実際と違う「取扱件数」、実際は有料の「相談無料」 | 不可 | 事実に合致しない広告(大阪運用指針)。証明責任は広告主にある |
| 「紹介料を差し上げます」「キャンペーン期間中につき報酬割引中」 | 不可 | 金品による誘致(大阪3条6号、福岡8条) |
| 「地域No.1」「〇〇市で一番」などの順位表示 | 使わない(当社の判断) | 他の司法書士と比べる表示なので、大阪では比較広告(3条4号)に当たるおそれがある。根拠がなければ景品表示法5条1号(優良誤認)の問題にもなる |
| 「〇〇専門」 | 名指しの禁止条文なし。事実で証明できる範囲に限る | 事実に合致しない広告(大阪・福岡3条1号)。扱いは所属会に確認 |
「取扱件数〇件」のような実績は、会から求められたときに証明できる数字だけ載せ、数えた時点と数え方も添えます。「顧客満足度〇%」は調査方法を示せないことが多いので、当社は載せないことをおすすめします。「専門」と書く代わりに、「取扱業務」「力を入れている業務」のように事実で書く方法もあります。
出典: 大阪司法書士会 広告規則 3条、同 運用指針、福岡県司法書士会 業務広告規則 3条・4条・8条・13条、日司連「債務整理事件の処理に関する指針」19条、景品表示法 5条1号
解決事例とお客様の声は書面同意と守秘義務が前提
司法書士には守秘義務があり、違反には刑事罰があります(司法書士法24条・76条)。行為規範11条は、秘密を漏らすことに加えて、「利用」も禁じています。
大阪と福岡の規則は、依頼者や案件を表示した広告に、依頼者の書面による同意を求めています。名前を出さなくても、全体の表現から特定の依頼者や案件を想起させれば該当します(大阪)。
この場合、解決事例とお客様の声は、書面で同意を取り、同意書を3年保存し、同意があっても依頼者が特定されない書き方にします。「個人情報に配慮すれば載せてよい」わけではなく、書面による同意が前提です。
福岡の規則には、依頼者が特定されず、かつ依頼者の利益を損なうおそれがない過去の事件なら同意がなくても載せられる例外がありますが、大阪の規則にこの例外はありません。同意を取らずに載せたい場合は、所属会に確認してください。
例えば、他の事件を例に挙げて同じ結果になると思わせる表現は、誤導・誤認の例です。債務整理の減額や過払金の金額は、面談前に期待させる表示として指針が禁じているので、載せません。
出典: 司法書士法 24条・76条、日司連「司法書士行為規範」11条、大阪司法書士会 広告規則 3条8号・9号・8条、福岡県司法書士会 業務広告規則 4条・12条
口コミの依頼で守ること
口コミの基準は、Googleのマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーです。金銭・割引・無料サービスなどのインセンティブと引き換えに口コミを依頼することや、肯定的な口コミだけを選んで募ることが禁止されています。事務所の職員や家族による投稿も、利益相反として禁止です。
依頼するなら、手続の完了時など全員に共通のタイミングで同じ形で案内し、投稿するかどうかと内容は相手に任せます。「満足していそうな依頼者にだけ頼む」方法は、選別に当たりうるのでおすすめしません。
対価を示したり内容を指示したりして書いてもらった口コミは、景品表示法のステルスマーケティング告示の対象になる「事業者の表示」になるので、Googleのポリシーとあわせて避けます。
返信にも注意が必要です。投稿者が自分で案件に触れていても、事務所の側から依頼の有無や中身を認めたり補足したりすると、秘密の開示や利用(司法書士法24条、行為規範11条)に当たりうるからです。返信は、感謝と一般的な案内にとどめます。
出典: Google「マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー」、消費者庁 ステルスマーケティング告示の運用基準 第2の1、司法書士法 24条

5. 事務所の名称・Googleビジネスプロフィール・外部との契約
事務所の所在地は登録した1か所だけを載せる
個人の司法書士は、事務所を2か所以上設けられません(施行規則19条)。「〇〇オフィス」「出張相談室」を別の拠点として載せると、2か所目の事務所の外形をつくるおそれがあります。
司法書士法人は従たる事務所を置けますが、各事務所に、その地域の司法書士会の会員である社員を常駐させる必要があります(司法書士法39条)。簡裁代理や任意整理の代理を扱える拠点は、特定社員が常駐する事務所に限られます(40条)。
サイトへの連絡先の掲載が事務所の表示に当たるかの公式解釈は確認できていません。この場合、当社は登録した事務所以外の拠点の住所や、その拠点の電話番号に見える番号を載せないことをおすすめします。
出典: 司法書士法施行規則 19条、司法書士法 39条・40条
Googleビジネスプロフィールのビジネス名は登録名どおりにする
「司法書士事務所」のような検索で表示される地図と事務所一覧の枠(ローカルパック)の情報源が、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)です。
仕組みは「ローカルSEOとは」と「SEOとMEOの違い」で説明しています。
ビジネス名は、事務所に掲げている名称のとおりにします。日司連の名簿に事務所名を併記登録している場合は、その名称を事務所にも表示するので(東京会則109条2項など)、同じ名称になります。
東京司法書士会の会則は、官公庁と紛らわしい名称や、司法書士の事務所としてふさわしくない名称の使用を禁じています(111条2項)。
Googleのガイドラインも、ビジネス名に宣伝文句・サービス名・所在地情報を加えることを禁じています。例えば「〇〇市 相続登記 〇〇司法書士事務所」のような登録は、Googleのガイドラインに反します。登録や表示をしている名称と異なる名前を広告に使えるかは、所属会に確認してください。
実体のない「〇〇相続センター」の名前で、別のプロフィールを作ることもできません。住所は登録した事務所だけで、カテゴリは業務に近い具体的なものを選びます。
ちなみに、「司法書士」の専用カテゴリの有無は公式資料で確認できなかったので、登録時に編集画面で確かめてください。
出典: Google「ビジネス情報のガイドライン」、Google「業種を管理する」、日司連会則 37条、東京司法書士会会則 109条・111条
ポータル・SEO会社との契約は定額にする
司法書士は、依頼者の紹介を受けたことについて、どんな名目でも対価を払えません(行為規範12条2項)。
日司連の債務整理指針の解説も、不当な誘致に当たる対価として「報酬、広告掲載料、業務協力費、紹介料、システム利用料等」を挙げ、いかなる名目でも禁止としています。名目を「広告掲載料」にしても、実態が紹介の対価なら禁止というわけです。
大阪の運用指針は、紹介サイトの基準として、運営者が利用者から金銭を取らないこと、司法書士からは期間やスペースで客観的に決まる定額の登録料だけを取ること、相談内容に関与しないことを挙げています。同じ掲載でも、料金の決め方によって評価が変わるというわけです。
| 契約の形 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 掲載の期間・枠で決まる定額の掲載料(ポータル) | 条件付きで可。運営者が利用者から金銭を取らず、相談内容や報酬に関与しないこと | 大阪運用指針、福岡5条 |
| サイト制作・SEO・記事制作の定額委託(作業量・期間で決まる) | 可。ただし成果物が広告規則に反しないこと | 行為規範12条、大阪5条・福岡9条 |
| 受任1件あたり〇円、報酬の〇%(成果報酬・送客手数料) | 不可(ポータルなどの送客)。SEO会社への受任連動の報酬も、紹介の対価とみなされるおそれが高い | 行為規範12条2項、指針解説、福岡5条1号 |
| 問い合わせ・電話1件あたりの課金 | 紹介の対価とみなされるおそれが高い。契約前に所属会に確認 | 大阪運用指針(定額・客観的な基準)、指針解説 |
| 検索順位の達成に連動した報酬 | 依頼者の紹介ではないが、一次資料に明示がない。所属会に確認 | — |
SEO会社との契約を直接扱った規定は、確認できていません。そのうえで、当社は、SEO会社への報酬は作業量や期間で決まる定額にし、問い合わせは事務所に直接届く設計にすることをおすすめします。件数に連動する契約を検討する場合は、契約前に所属会に確認してください。
第三者の広告にも責任が及びます。例えば、ランキング記事の内容が規則に反する場合、掲載料を払うことも、原稿の提供で協力することも禁止です(大阪広告規則5条、福岡広告規則9条)。
出典: 日司連「司法書士行為規範」12条・13条、日司連「指針の解説」p.11、大阪司法書士会 広告規則の運用指針 第2の2(4)、大阪司法書士会 広告規則 5条、福岡県司法書士会 業務広告規則 5条・9条
リスティング広告と営業メールの注意点
リスティング広告の広告文にも、同じ広告規則がかかります。比較・誇大な表現や順位表示は広告文でも使わず、広告物は所属会の規則に従って保存します(大阪・福岡は広告の終了から3年間)。
債務整理の広告は、Google広告の「債務関連サービス」ポリシーで日本では弁護士・司法書士に限られ、Googleの承認が必要です。
面識のない人への訪問や電話による広告は禁止です(大阪広告規則4条、福岡広告規則6条1項)。電子メールの広告は、福岡では承諾と受領拒否の仕組みがなければ送れず、大阪では「広告」と表示する義務があります。
この場合、資料ダウンロードや、登録免許税の概算のようなツールでメールアドレスを取るなら、配信への承諾と停止の方法を用意してください。債務整理の減額診断は、第3章のとおり使えません。
出典: Google広告ポリシー「債務関連サービス」、大阪司法書士会 広告規則 4条・7条・8条、福岡県司法書士会 業務広告規則 6条・12条
6. 司法書士のSEO対策についてよくある質問
Q1. 「〇〇市 司法書士」の地域ページは作るべきですか?
対応エリアを説明するページを1つ作るのは問題ありません。ただし、検索数は主要都市でも月数百回にとどまり、量産しても入口は大きくなりません。
個人の司法書士は事務所を2か所以上設けられないので(施行規則19条)、登録した事務所以外の拠点の住所や、その拠点の連絡先に見える電話番号は載せないでください。
Q2. 「相続登記 自分で」と調べる人向けのページを作る意味はありますか?
入口としての意味はあります。ただし、この人たちは自分で手続きしようとしているので、依頼者になるとは限りません。当社は、手続を正確に解説したうえで、司法書士に頼んだ場合の違いを事実の範囲で添えることをおすすめします。
Q3. SEO会社と成果報酬で契約してもよいですか?
ポータルなどの送客に受任1件あたりや報酬の〇%で払う契約は、紹介の対価として行為規範12条に触れます。SEO会社への受任件数に連動した報酬も、名目を問わず紹介の対価とみなされるおそれが高い形です。問い合わせ1件あたりの課金も同じです。
検索順位に連動する報酬は依頼者の紹介ではありませんが、一次資料に明示がありません。当社は、作業量や期間で決まる定額の契約をおすすめします。
7. まとめ
- 司法書士の広告は法律・行為規範・所属会の会則・広告規則の4層で規律され、事務所サイトもGoogleビジネスプロフィールも広告として扱われる
- 「地域名+司法書士」は主要都市でも月数百回から1,000回前後。「相続登記」17,760回、「成年後見」26,480回など、手続の名前の検索が入口になりうる
- 「相続登記 自分で」は「相続登記 司法書士」の約2倍。手続を正確に解説するページは入口になりうるが、読者が依頼者になるとは限らない
- 相続登記は義務化を条文どおりに、成年後見は家庭裁判所が選ぶことを、債務整理は対面面談・債権1本ごとに140万円以下・報酬の上限を明記する。遺産分割の交渉や相続税の申告は扱わない
- 事例と口コミは書面同意と守秘義務が前提。事務所は登録した1か所、ビジネス名は登録名どおり。ポータルやSEO会社との契約は定額にする
司法書士のSEOは、「何を・誰が・どの範囲で・いくらで」引き受けるのかを、業務範囲と広告規則の中で正確に書く積み重ねです。断定を避けた箇所は、所属する司法書士会や専門家に確認してから運用してください。他の業種は「業種別SEO対策ガイド」をご覧ください。
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
検索順位が上がらない理由は、SEO対策の質が低いからです。
例えば、ユーザーの検索意図を無視したり、関連性の低いコンテンツを増やす、内部リンクの最適化など疎かにします。
この場合、SEO対策の質が下がります。
そうなれば、ページやサイト自体の品質が上がらないので、Googleに評価されづらくなります。
結果、検索順位が上がらないというわけです。
こうした悪い状況を回避する為に、サイトの欠点を調査して上位化に必要な対策をご案内します(無料)。
検索順位を上げたり、検索流入を増やすにはSEOが重要!


