弁護士のSEO対策|広告規程の範囲で分野別ページと報酬ページを作る方法
法律事務所のホームページを作ったのに、問い合わせが増えない。「離婚に強い」「解決実績〇件」と書いてよいのか分からない。そう悩んでいる法律事務所の代表やWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、弁護士のSEO対策は分野名と費用の検索を入口にして、日弁連の広告規程の範囲でページを作るのが基本です。地域名で探される回数は小さく、2025〜2026年に施行された規程・指針の改正で、Web集客の手法が違反例として名指しされたからです。
当社ツールで調べると、「東京 弁護士」の月間推定検索数は576回ですが、「離婚 弁護士」は26,480回、「弁護士 費用」は11,840回あります。地域名より分野と費用の検索のほうが大きい、というわけです。
今回は法律事務所の代表とWeb担当者に向けて、事務所の規模と広告の規律、キーワードの考え方、各ページの書き方、事務所名とGoogleビジネスプロフィール、口コミとSEO会社との契約を解説します。
他の士業と共通する考え方は「士業のSEO対策」で、SEOそのものの基礎は「SEOとは」で解説しています。
この記事でわかること
- 法律事務所の62.17%は弁護士1人で、広告は原則自由だが、2025〜2026年の規程・指針の改正で借金減額診断・診断ツールからの勧誘・体制のない「24時間365日」などのWeb集客の手法が違反例に加わったこと
- 「東京 弁護士」576回に対し「離婚 弁護士」26,480回・「弁護士 費用」11,840回・「法テラス」72,400回と、分野名と費用の検索が入口になる理由(当社ツールaramakijake.jpの独自データ)
- 分野別ページ・解決事例・報酬ページ・弁護士紹介を、「専門」「勝訴率」を使わず、依頼者の同意と氏名・所属弁護士会の表示を守って書く方法
- 事務所名とGoogleビジネスプロフィールで守ること、口コミの依頼と返信、ポータル・SEO会社との契約を定額にする理由と契約書・入出金記録の3年保存(2026年7月1日から)
おすすめの読者層
- 法律事務所・弁護士法人の代表で、Webからの相談を増やしたい方(特に弁護士1〜2人の事務所)
- 法律事務所のWeb担当者や、法律事務所のサイトを制作・運用するSEO・広告の担当者
1. 弁護士のSEOで最初に押さえること(事務所の規模と広告の規律)
弁護士のSEOには、他の業種と違う前提が3つあります。
法律事務所の6割超は弁護士1人の事務所
日本弁護士連合会によれば、弁護士数は2025年3月31日時点で46,243人です。法律事務所は同じ時点で18,591事務所あり、規模別の内訳は次のとおりです。
| 事務所の規模 | 事務所数 | 割合 |
|---|---|---|
| 弁護士1人 | 11,558 | 62.17% |
| 2人 | 3,181 | 17.11% |
| 3〜5人 | 2,654 | 14.28% |
| 6〜10人 | 804 | 4.32% |
| 11人以上 | 394 | 2.12% |
| 合計 | 18,591 | 100% |
1人事務所が62.17%で、2人以下を合わせると約8割です。弁護士法人は同じ時点で1,782法人です。
例えば弁護士1人の事務所が「24時間365日相談対応」と書けば、体制がないのに書いた表示として広告指針の違反例に当たります。事務所の規模は、集客の設計と書ける表現の両方の前提になるというわけです。
出典: 日本弁護士連合会「弁護士白書2025年版」資料1-1-2、同 資料1-3-2・1-3-3、同 資料1-3-7
弁護士の広告は原則自由で禁止事項が列挙されている
弁護士の広告は、日弁連の会則で原則自由とされています。例外として「弁護士等の業務広告に関する規程」(以下、広告規程)の3条が7類型の広告を禁じ、4条が勝訴率や依頼者・事件など表示できない4つの事項を定めています。
「広告」の範囲は広く、自己や業務を知らせる表示のうち、顧客を誘引することが主たる目的のものは媒体を問わず含まれます。目的は弁護士の主観でなく、内容や状況から判断されます。例えばコラムや解説動画も、「〇〇の相談は当事務所へ」と付ければ広告です。
違反例は「業務広告に関する指針」(以下、広告指針)が示しますが、例は網羅ではないと指針自身が書いています。例に載っていない表現でも、使ってよいとは限りません。
出典: 日弁連「弁護士等の業務広告に関する規程」2条〜4条、同「業務広告に関する指針」第1-2・第2-2
2025〜2026年の改正でWeb集客の手法が名指しされた
広告指針は令和7年2月20日(同日施行)と令和8年2月19日(主に2026年4月1日施行)に、広告規程は令和7年12月5日に改正されました。規程の施行日は4条2号〜4号・5条2項が2026年4月1日、11条が2026年7月1日で、4条1号の勝訴率の表示禁止は従来からの規定です。
Web集客に関わる規律は、次の7つです。
| 手法 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 借金減額診断・借金減額シミュレーター・無料診断 | 入力だけで処理方針が分かるかのように思わせる表示は違反例。必ず「減額の可能性あり」と出る設計も違反例 | 指針第3-3(7)・第3-4(4) |
| 診断ツールで取った連絡先への電話・メール・SMS・SNSでの勧誘 | 連絡先を入力しても、入力が相談の申込みになることがページから明確な場合などを除き「面識のない者」のまま。電話は5条1項、メール・SMS・SNSは5条2項の違反 | 指針第5-1(3)・第5-4(6) |
| 体制がないのに「24時間365日相談対応」、債務整理で受任体制がないのに「全国対応」 | 誤導・誤認のおそれのある広告の違反例 | 指針第3-3(5)(6) |
| 高額回収事例を並べる | 国際ロマンス詐欺・投資詐欺など回収が難しい事件で、高額回収が大半だと思わせる記載は誇大な広告の違反例 | 指針第3-4(5) |
| 承諾のないFAX・SMS・SNSメッセージでの広告 | 面識のない者への送信を禁止(メールは従来から禁止) | 規程5条2項(2026年4月1日施行) |
| 電話・メールなど通信手段で受任するときの表示 | 事務の範囲・報酬・中途解約時の精算方法の表示が義務(従来からの規定) | 規程9条の2、指針第8-2 |
| 広告業者との契約書と入出金記録の保存 | 広告終了から3年間保存。アフィリエイトやSEO対策で第三者が管理するサイトを使う場合は、広告配信方針や報酬発生の条件を書いた資料も保存 | 規程11条(2026年7月1日施行)、指針第8-4(3)ウ(2026年4月1日施行) |
懲戒の実例も出ており、千葉県弁護士会は2026年7月31日に架空の「ご依頼者様の声」や公的機関のロゴを載せたWeb広告と事務員が定型の説明で大量に受任する仕組みを理由に、弁護士を業務停止1年としました。
同会は2026年1月29日にも、非弁行為を業とすると疑うに足りる相当な理由のある者に名義を使わせ、Web広告で高額の被害回復が可能と思わせた弁護士を業務停止2月にしています。問われたのは広告の文言だけでなく、集客の仕組みと受任の体制です。
出典: 日弁連 業務広告規程 4条・5条・11条・附則、同 業務広告指針 第3-3〜第8-4・附則、千葉県弁護士会 懲戒処分の公表(2026年8月3日)、同(2026年2月2日)
2. 弁護士のキーワードの考え方(地域名より分野と費用)
弁護士を探す人の検索は、大きく次の3つに分けられます。
- 「東京 弁護士」のように地域名から探す
- 「離婚 弁護士」「交通事故 弁護士」のように分野から探す
- 「弁護士 費用」「法テラス」のように費用や相談窓口を調べる
依頼者が弁護士をどう探すかを示す公的な統計は確認できていないので、当社ツールの検索数から言える範囲で書きます。
「地域名+弁護士」は主要都市でも月1,000回前後
| 地域 | 「〇〇 弁護士」 | 地域 | 「〇〇 弁護士」 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 576 | 京都 | 1,280 |
| 大阪 | 800 | 神戸 | 1,280 |
| 名古屋 | 1,040 | 広島 | 1,040 |
| 福岡 | 1,040 | 札幌 | 704 |
| 横浜 | 704 | 仙台 | 704 |
※当社ツール「aramakijake.jp」によるGoogleの月間推定検索数(2026年9月25日調べ)。推定値なので、実際の検索回数とは異なる場合があります。
10都市とも、576〜1,280回の範囲に収まります。
この場合、市区町村ごとに地域ページを量産しても、入口は大きくなりません。対応エリアの説明は、1ページにまとめます。
分野名の検索は地域名より大きい
| キーワード | 月間推定検索数 | 対応するページ |
|---|---|---|
| 離婚 弁護士 | 26,480 | 離婚の分野別ページ |
| 交通事故 弁護士 | 14,480 | 交通事故の分野別ページ |
| 過払い金 | 5,280 | 債務整理の分野別ページ・解説コラム |
| 離婚 弁護士 費用 | 5,280 | 離婚の分野別ページ・報酬ページ |
| 相続 弁護士 | 4,320 | 相続の分野別ページ |
| 離婚 相談 | 4,320 | 離婚の分野別ページ・初回相談の案内 |
| 債務整理 弁護士 | 3,520 | 債務整理の分野別ページ |
| 顧問弁護士 | 2,320 | 顧問契約のページ |
| 顧問弁護士 費用 | 1,920 | 顧問契約のページ・報酬ページ |
| 労働問題 弁護士 | 1,280 | 労働問題の分野別ページ |
※出典・調査日は上の表と同じ。
例えば「離婚 弁護士」は26,480回で、「東京 弁護士」の約46倍です。「交通事故 弁護士」も14,480回で、10都市の合計(9,168回)を上回ります。
「過払い金」は5,280回ですが、弁護士を付けない検索なので制度を調べる人や司法書士を探す人も含まれ、そのまま問い合わせにつながる検索ではありません。
法律事務所のサイトでは、地域ページより分野別ページと報酬ページが検索の入口になりうる、というのがこのデータから言える範囲です。
ちなみに、「法律事務所」は32,400回、「弁護士事務所」は17,760回です。事務所名として示す箇所は、届け出た名称のままにします(第4章)。
費用と相談窓口を調べる検索が大きい
| キーワード | 月間推定検索数 |
|---|---|
| 法テラス | 72,400 |
| 弁護士 無料相談 | 32,400 |
| 弁護士 費用 | 11,840 |
| 弁護士 電話相談 | 1,040 |
| 弁護士 着手金 | 704 |
※出典・調査日は上の表と同じ。
「法テラス」は72,400回で、「離婚 弁護士」の約2.7倍です。法テラスは、法務省の報告書によれば令和6年度にコールセンターだけで417,931件の問い合わせを受け、法律相談援助を299,899件実施しました。
経済的に余裕のない人向けの制度で、有償で依頼する層の行動をそのまま示す数字ではありません。それでも、費用を確かめてから弁護士を探す検索が地域名より大きいことは表から読み取れます。
この場合、報酬ページと初回相談の案内は、分野別ページと同じ比重で作ります。
出典: 法務省「日本司法支援センター令和6年度業務実績等報告書」
3. 分野別ページ・解決事例・報酬ページ・弁護士紹介の書き方
検索する人が知りたいのは、「この分野を扱っているか」「どんな結果になるのか」「いくらかかるのか」「誰が担当するのか」です。この4点に、広告規程の範囲で答えるページを揃えます。
分野別ページは「取扱い分野」として書く
離婚・交通事故・相続・債務整理・労働問題のように、分野ごとのページを作ること自体に規程上の制限はありません。第2章のとおり分野名の検索は大きいので、事務所が実際に扱う分野ごとに1ページずつ作ります。
問題は見出しと本文の言葉で、広告指針は「専門」「専門家」「スペシャリスト」「プロ」「エキスパート」の表示を控えるのが望ましいとし、「取扱い分野」「取扱い業務」は違反しないとしています。「得意分野」も主観的な評価として書けますが、得意でない分野には書けません。
経験が少ない分野は「積極的に取り組んでいる分野」「関心のある分野」と書くのが望ましい、というのが指針の整理です。
「〇〇に強い弁護士」を直接扱う規定はありません。ただし、キャッチフレーズは誤解や過度な期待を与えかねないため、十分注意しなければならないと指針は書いています。規定だけでは可否を判断できないので、使う場合は所属弁護士会に確認してください。
当社は、タイトルや見出しには「離婚を取扱い分野とする弁護士」「相続の相談を積極的に受けています」のように書くことをおすすめします。「離婚 弁護士」という検索キーワードは、そのまま使えます。
「最も」「一番」のような最大級の表現、「完璧」のような完全を意味する表現、「顧客満足度」のような実証できない優位性の表現、「常勝」「不敗」のような結果を保証する表現は、文脈によって違反になりうる用語として指針が注意を求めています。
他の事務所との比較は、名前を出さなくても特定できれば禁止です(規程3条5号)。第1章の懲戒でも、「他社は着手金を払うまで何も動きません」という表示が、他の事務所より優位であるかのような印象と過度の期待を与えるとして規程3条2号・3号に当たるとされました。
債務整理のページには別の規程もかかり、報酬の基準と面談が必要であることを表示するよう努める、と定められています。また、「過払い金専門」のように過払金の請求だけを扱う旨を示すなど、他の借金を整理せずに過払金だけを請求しても不利益がないかのように思わせる広告は禁止です(同規程18条3項)。
「借金減額診断」「国が認めた借金減額制度」「時効でも返金されることがあります」は、いずれも指針の違反例です。分野別ページでも広告文でも、こうした言葉は使えないというわけです。
出典: 日弁連 業務広告指針 第3-3〜第3-13、同 業務広告規程 3条、千葉県弁護士会 懲戒処分の公表(2026年8月3日)、日弁連「債務整理事件処理の規律を定める規程」18条
解決事例は同意を取った実在の事件だけを載せる
弁護士には守秘義務があり、顧問先・依頼者・受任中の事件・過去の事件は、広告規程4条で表示できない事項に列挙されています。
載せられるのは、依頼者の書面または電磁的方法(メール・SMS・SNSのメッセージなど)による同意がある場合です。同意の記録は、広告終了から3年間保存します。指針は依頼者名などを表示する場合に同意の範囲と有効期限を明示するよう求めているので、事件を載せる場合も同じ形で取っておくと争いを避けられます。
同意なしで載せられるのは、依頼者が特定されず利益を損なうおそれもない場合(指針の例は、集団訴訟で個別の同意が難しい場合など)と過去の事件のうち判例集や報道で広く知られ、利益を損なうおそれもない場合に限られます。
「個人が特定できる情報を除けば足りる」とは言えません。指針は、依頼者名がないだけでなく実際に特定されないかを個別に判断するとし、その場合でも同意を得るよう努めるとしています。この場合、匿名化は補助で、同意が原則です。
書き方にも制限があり、訴訟の勝訴率は表示禁止です(規程4条1号)。解決率や回収額も、例えば「交通事故で1億3,000万円を獲得しています。あなたも可能です」のように同じ結果を期待させる表現は違反例です。事例には、結果が事案によって異なることを添えます。
架空の事例やシミュレーションを「解決事例」「成功事例」と表示するのは、虚偽の広告です。仮定の事例で解説するなら「設例」と明示し、解決事例とは呼びません。
「解決実績〇件」の件数も、事実で記録により証明できる数字に限ります。弁護士会は証明を求めることができ、証明できなければ虚偽とみなされうるからです。別の分野を含む延べ件数で特定の分野に習熟しているように見せる表示は違反例に挙がっているため、何を1件と数えるかは所属弁護士会に確認してください。
出典: 日弁連 業務広告規程 4条・11条・12条、同 業務広告指針 第3-2〜第4-5・第9-3、東京弁護士会 非弁提携弁護士対策本部(2017年10月27日)、弁護士法 23条
報酬ページは報酬基準と同じ内容にする
弁護士の報酬に統一の基準はなく、各弁護士が報酬の種類・金額・算定方法・支払時期を示した基準を作って、事務所に備え置きます(報酬規程3条)。報酬ページはこの基準と同じ内容にし、着手金・報酬金・手数料・実費・日当の区分を分けて書きます。
例えば「着手金0円」と書くなら、手数料や管理料などを別に受け取る旨を明瞭に表示しなければ違反です。「着手金0円〜」「業界最低水準」「割安」は違反例に挙がっています。
電話・メール・LINEなどの通信手段で受任することを広告する場合は、受任する事務の範囲、報酬の種類・金額・算定方法・支払時期、中途解約ができることと精算方法の表示が義務です(規程9条の2)。
ただし債務整理事件は、受任前に担当弁護士が債務者と自ら面談する義務があり(債務整理事件処理の規律を定める規程3条)、報酬にも上限(任意整理の解決報酬金は債権者1人当たり2万円など)があります。ビデオ通話が面談に当たるかは、所属弁護士会に確認してください。
ちなみに、弁護士が行う法律事務には特定商取引法の通信販売の規定は適用されず(同法26条1項7号)、その分の「特定商取引法に基づく表記」は不要です。その代わりに、日弁連の規程が通信手段で受任する際の表示と、承諾のない広告メールの禁止を定めています。
書籍やセミナーなど、法律事務以外のものをネットで販売する場合は別です。
出典: 日弁連「弁護士の報酬に関する規程」3条・6条、同 業務広告指針 第3-3(3)(4)・第5-1(2)・第8-2、同 業務広告規程 5条2項・9条の2、同 債務整理規程 3条・13条〜16条、特定商取引に関する法律 26条1項7号
弁護士紹介は氏名と所属弁護士会を必ず表示する
弁護士は、広告に氏名と所属弁護士会を表示する義務があります(規程9条)。弁護士法人は法人名称・事務所の名称・所属弁護士会で、登録番号の表示は任意です。サイトに所属弁護士会の表示がないものは違反広告だと東京弁護士会が注意喚起しています。
経歴の書き方にも違反例があり、例えば「元特捜部検事 検察庁に対する押しが違います」のように、前歴で有利な解決を示唆する表示は違反です。優劣を論じる弁護士ランキングへの掲載料の支払い・アンケート回答・原稿提供は、規程8条で禁止されています。
ランキング型の受賞歴を載せることは、誤導や誇大な表示になりうるので当社はおすすめしません。載せる場合は、主催者と選び方を確かめ、所属弁護士会に確認してください。
出典: 日弁連 業務広告規程 3条・8条・9条、同 業務広告指針 第3-11・第7-2・第8-1、東京弁護士会 非弁提携弁護士対策本部(2018年6月20日)
コラムと計算ツールは連絡先を取らない情報提供にする
「過払い金」のような検索に応える解説コラムは、一般的な法令・手続の説明であれば書けます(書き方は「SEOライティングとは」)。
ただし、「〇〇の相談は当事務所へ」と付ければ広告として規程がかかり、そうした文言がなくても全体の趣旨から広告と判断されることがあります。事務所サイトのコラムは、広告規程がかかる前提で書きます。
指針が名前を挙げて禁じているのは、慰謝料や養育費の計算ツールで連絡先を取って勧誘することで、ツールそのものを禁じる規定はありません。ただし認める規定もないので、作る場合は連絡先を入力させず、結果は算定表などに基づく目安で事案によって異なると表示し、所属弁護士会に確認してください。
連絡先を入力させて電話・メール・SMS・LINEで勧誘すれば、入力が相談の申込みになることがページから明確な場合などを除いて、面識のない者への広告として規程5条の違反で、特定の事件の勧誘広告(6条)にも当たります。
なので、問い合わせフォームには「送信は法律相談のお申込みです」と明記し、申込みがあった人にだけ連絡します。LINE公式アカウントは申込者とのやり取りに使い、「友だち」への一斉配信で依頼を勧めることはしません。
出典: 日弁連 業務広告指針 第2-2(4)・第3-3(2)・第5-1・第5-4、同 業務広告規程 5条・6条、東京弁護士会 非弁提携弁護士対策本部(2022年9月26日)

4. 事務所の名称とGoogleビジネスプロフィール
弁護士は、いかなる名義でも2か所以上の法律事務所を設けられません(弁護士法20条3項)。複数の拠点を持てるのは弁護士法人だけで、各事務所にその地域の弁護士会に所属する社員を常駐させる必要があります(同30条の17)。
名称も1つで、日弁連の名称規程は複数の名称を使うことと届け出た名称以外を使うことを禁じています。例えば「〇〇交通事故相談センター」「〇〇遺言相続センター」を事務所名と別に使う広告は、広告指針の違反例です。
この場合、分野別の別名称サイトもエリアごとに借りた住所でのGoogleビジネスプロフィールも、弁護士では作れません。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)のローカル検索の順位は関連性・距離・知名度で決まり(「ローカルSEOとは」)、口コミは知名度を構成する要素の一つです。
ビジネス名は、届け出た事務所名と一致させます。Googleビジネスプロフィールを直接扱った日弁連の規定はありませんが、Googleのガイドラインはビジネス名に宣伝文句・サービス名・所在地情報を加えることを禁じています。
例えば「〇〇法律事務所|離婚・相続」のような追加は、届け出た名称以外の使用を禁じる名称規程にも触れるおそれがあります。住所は登録した事務所(法人は届け出た従たる事務所を含む)だけで、バーチャルオフィスは登録できません。
「部門」のプロフィールには別名称が必要で、弁護士は事務所に複数の名称を付けられないので、当社は部門プロフィールを作らないことをおすすめします。ちなみに、Googleは1人の専門家が分野ごとに複数のプロフィールを作ることも認めていません。
カテゴリは中心の業務を示すものを最小限にし、「弁護士」に相当するカテゴリ名は登録時に編集画面で確かめてください。説明文と投稿にも広告規程がかかる前提で書きます。
出典: 弁護士法 20条3項・30条の17、日弁連「法律事務所等の名称等に関する規程」6条・10条・13条・15条、同 業務広告指針 第3-7、Google「ビジネス情報のガイドライン」、Google「ローカル検索結果のランキングを改善するヒント」、Google「業種を管理する」

5. 口コミとポータル・SEO会社との契約
口コミは全員に同じ形で依頼し返信で事件に触れない
Googleマップの口コミの基準は、Googleのマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーです。金銭・割引・無料サービスなどの見返りと引き換えの依頼や、肯定的な口コミだけを選んだ募集が禁止されています。事務所の職員や家族の投稿も、利益相反として禁止です。
「満足している依頼者にだけ頼む」方法はこの選別に当たりうるので、おすすめしません。依頼するなら、例えば事件の終了時など全員に共通のタイミングで同じ文面で案内し、投稿するかどうかと内容は相手に任せます。
弁護士ならではの留保が返信で、弁護士法23条と職務基本規程23条の守秘義務があり、広告指針は依頼者名を守秘義務にかかる事項としています。
返信では、依頼を受けたかどうかや事件の内容に触れず、投稿へのお礼と一般的な案内にとどめます。「ご依頼ありがとうございました」のような文面も、依頼の事実を認めることになるので使いません。
自社サイトに「お客様の声」を載せる場合は、実在の依頼者の書面または電磁的方法の同意を取り、内容を変えずに掲載して同意の記録を3年間保存します。実在の依頼者が関与していない文章を載せることは、虚偽の広告です。
出典: Google「マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー」、弁護士法 23条、日弁連「弁護士職務基本規程」23条、同 業務広告指針 第3-2(1)・第4-3、同 業務広告規程 4条2号・11条
ポータル・広告会社・SEO会社との契約は定額にする
弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の周旋を業とすることは弁護士法72条で禁じられ、その者から周旋を受けることや名義を使わせることは、弁護士側の27条違反です。
日弁連の「弁護士情報提供ウェブサイトへの掲載に関する指針」は、ポータルなどの事業者が次のいずれかに当たる場合を、周旋またはその疑いがある類型としています。
- 明示された客観的な検索条件によらず、事業者の判断で弁護士の情報を選別・加工して表示する
- 事業者が閲覧者や弁護士に連絡し、相談・受任の勧奨や面接日時の調整を行う
- 閲覧者の相談内容を一旦受けて、弁護士の選定に使う
- 「弁護士や依頼者を紹介する」と表示して募集している
対価については、掲載弁護士から受け取る金銭が紹介を受けた事件数や弁護士報酬の額に応じて算定される場合、そのサイトによる紹介には報酬目的がある(または疑うに足りる相当な理由がある)としています。
一方、掲載の期間やスペースに応じて客観的かつ定額的に決まる対価であることは、周旋の対価でないと判断する要素です。
また、事業者と弁護士報酬を分配すると認められれば職務基本規程12条、紹介の謝礼を払うと認められれば13条1項に違反するおそれがある、としています。
この指針は紹介サイトについての規定で、自事務所サイトのSEOを直接扱った規定は確認できていません。問い合わせ件数や検索順位に連動する報酬が同じ評価を受けるかは一次資料で確定できないので、契約前に所属会に確認してください。
そのうえで、当社はSEO会社・広告会社への支払いを作業量や期間で決まる定額にし、問い合わせが事務所に直接届く設計にすることをおすすめします。
例えば「受任1件〇円」「着手金の〇%」のように受任件数や弁護士報酬の額に連動する契約は、指針が紹介サイトについて報酬目的を認める算定方法と同じ形です。報酬の分配(職務基本規程12条)や紹介の対価(同13条1項)に当たるおそれもあります。
2026年7月1日からは、広告業者との契約書・見積書・請求書と入出金の記録を、広告終了後3年間保存する義務があります。日弁連は改正の理由に、契約内容や入出金の記録から非弁提携が認定される場合があることを挙げています。
この場合、SEO会社の側も、契約書と請求書を弁護士会の調査で提出されても問題のない内容にする必要があります。報酬に関するメールやチャットのやり取りも保存の対象なので、報酬の条件は書面か電子データで明確に残し、そのやり取りごと保存します。
口頭だけの合意は、弁護士会に契約内容を示せず、依頼する弁護士を危険にさらすというわけです。
東京弁護士会は市民向けに、少人数なのにインターネットで大々的に広告している法律事務所が次の特徴を持つ場合、非弁業者による大量定型処理をうかがわせると説明しています。
- 「24時間365日対応」と表示している
- 「全国対応」と表示している
- 「LINE相談が可能」と表示している
- 電話番号が日弁連に登録しているものと違う(0120など)
SEO会社が勧めがちな施策の組み合わせが、非弁提携の兆候として公に説明されているというわけです。
出典: 弁護士法 27条・72条・77条、日弁連「弁護士情報提供ウェブサイトへの掲載に関する指針」3・4、同「弁護士職務基本規程」11条〜13条、同 業務広告規程 11条・12条、同 業務広告指針 第8-4、日弁連 臨時総会報告(2025年12月5日)p.9、東京弁護士会 非弁提携弁護士対策本部(2023年8月7日)
6. 弁護士のSEO対策についてよくある質問
Q1. 「離婚に強い弁護士」とタイトルに書いてもよいですか?
「〇〇に強い」を直接扱う規定はなく、規定だけでは判断できません。第3章のとおり、当社は「離婚を取扱い分野とする弁護士」のように書くことをおすすめし、使う場合は所属弁護士会に確認してください。
Q2. 「〇〇市 弁護士」の地域ページは作るべきですか?
対応エリアを説明するページを1つ作るのは問題ありません。ただし、検索数は主要都市でも月1,000回前後で、量産しても入口は大きくなりません。
住所と電話番号は、登録した事務所のものだけにします。登録事務所以外の連絡先を載せると弁護士法20条3項の問題になります。複数の拠点を示せるのは、届け出て社員が常駐する弁護士法人の従たる事務所だけで、名称も「〇〇支所」のような決まった形です。
Q3. SEO会社と成果報酬で契約してもよいですか?
受任件数や着手金・報酬額に連動する報酬は、日弁連の指針が紹介サイトについて報酬目的を認める算定方法と同じ形で、報酬の分配や紹介の対価を禁じる職務基本規程12条・13条、非弁提携を禁じる弁護士法27条・同規程11条に触れるおそれがあります。当社は、この形の契約はしないことをおすすめします。
問い合わせ件数や順位に連動する報酬は、所属会に確認してください。当社は、定額の契約をおすすめします。
Q4. 事実誤認のある悪い口コミに返信で反論してもよいですか?
事件の内容や依頼の有無に触れる反論は、おすすめしません。弁護士には守秘義務があり、反論のための開示が正当な理由に当たるかは確定できないからです。返信は、投稿へのお礼と一般的な案内にとどめ、依頼の有無が分かる言葉も使わないでください。
7. まとめ
- 法律事務所の62.17%は弁護士1人。2025〜2026年の改正で借金減額診断・診断ツールからの勧誘・体制のない「24時間365日」・高額回収事例・承諾のないSMS/SNS広告が名指しされ、2026年7月1日からは広告業者との契約書と入出金記録の3年保存が義務になった
- 「東京 弁護士」576回に対し「離婚 弁護士」26,480回、「弁護士 費用」11,840回、「法テラス」72,400回。分野別ページと報酬ページが入口になりうる
- 分野別ページは「取扱い分野」で書く。他事務所との比較は禁止、「専門」は控えるのが望ましく、「強い」は所属弁護士会に確認。解決事例は同意を取った実在の事件だけ、勝訴率は表示禁止
- 事務所は個人なら1か所で、名称は届出どおり。「〇〇センター」型のサイトも、分野別のGoogleビジネスプロフィールも作れず、エリア別のプロフィールは弁護士法人の届け出た従たる事務所に限られる
- 口コミは全員に同じ形で依頼し、返信で事件に触れない。SEO会社・ポータルへの支払いは定額にし、受任件数に連動する契約はしない
弁護士のSEOは、分野と費用の検索に応えるページを、広告規程と名称規程の範囲で積み重ねる作業です。断定を避けた箇所は、所属弁護士会や専門家に確認してから運用してください。他業種は「業種別SEO対策ガイド」をご覧ください。
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
検索順位が上がらない理由は、SEO対策の質が低いからです。
例えば、ユーザーの検索意図を無視したり、関連性の低いコンテンツを増やす、内部リンクの最適化など疎かにします。
この場合、SEO対策の質が下がります。
そうなれば、ページやサイト自体の品質が上がらないので、Googleに評価されづらくなります。
結果、検索順位が上がらないというわけです。
こうした悪い状況を回避する為に、サイトの欠点を調査して上位化に必要な対策をご案内します(無料)。
検索順位を上げたり、検索流入を増やすにはSEOが重要!


