遺品整理のSEO対策|許可の説明と見積もり・買取・遺族向けページの決まり
遺品整理のホームページを作ったのに、問い合わせが増えない。「不用品回収」と書いてよいのか、料金は「1K 〇万円〜」でよいのか、買取や供養はどこまで書けるのかも分からない。そう悩んでいる遺品整理の事業者やWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、遺品整理のSEO対策は、廃棄物を誰が運ぶのかを許可の形で説明し、見積もりから契約までの条件を特定商取引法の形で書くのが基本です。遺品は一般廃棄物で、事業者が他人の遺品を運ぶには市町村の許可が要ります。許可の説明なしに「回収」を打ち出すと、無許可の収集運搬をうたう表示になりかねません。
当社ツールで調べると、「遺品整理」の月間推定検索数は39,600回で、「遺品整理 東京」「遺品整理 大阪」はそれぞれ17,760回でした。「遺品整理 費用」は3,520回、「遺品整理 買取」は1,520回です。東京・大阪を付けた検索は、費用や買取を付けた検索より大きい、というのがこの数字から言える範囲です。
今回は遺品整理の事業者とWeb担当者に向けて、許可の説明、地域名の検索とGoogleビジネスプロフィール、見積もり・料金・キャンセルの書き方、買取・供養・特殊清掃のページ、遺族に向けたページで越えない線を解説します。
SEOそのものの基礎は「SEOとは」で、地図枠の仕組みは「ローカルSEOとは」で解説しています。
この記事でわかること
- 遺品は一般廃棄物で、運ぶには市町村の一般廃棄物収集運搬業許可が要り、産業廃棄物の許可や古物商許可では代わりにならないこと。許可のない業者が適法に営業する2つの形と、「誰が運ぶか」の書き方
- 「遺品整理 東京」17,760回と「東京 遺品整理」704回など地域名の語順の違い(当社ツールの独自データ)、エリアページに書くこと、出張型のGoogleビジネスプロフィールの住所非表示
- 国民生活センターが挙げる4つのトラブル、訪問見積もりからの契約が訪問販売になること、見積書に書く項目と理由の表、キャンセル料と消費者契約法9条、「〇〇円〜」「格安」「No.1」「行政協力」の扱い
- 買取の古物商許可とサイト表示・訪問購入の勧誘禁止、供養と特殊清掃の効果表示、相続放棄前の処分(民法921条)、作業写真と遺族の個人情報、見返りなしの口コミ依頼、遺品整理士が民間資格であること
おすすめの読者層
- 遺品整理・生前整理・特殊清掃の事業者で、Webからの問い合わせを増やしたい方(特に一般廃棄物の許可を持たず、作業と買取を組み合わせて営業している出張型の事業者)
- 遺品整理サービスのサイト・料金ページ・エリアページ・買取ページを制作・運用するWeb担当者と、SEO・広告の担当者
1. 遺品整理のサイトは許可の説明から始まる
遺品は一般廃棄物で運ぶには市町村の許可が要る
廃棄物処理法は、廃棄物を「ごみ、粗大ごみ…その他の汚物又は不要物」と定め(2条1項)、産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物としています(2条2項)。産業廃棄物は「事業活動に伴つて生じた廃棄物」のうち政令で定める種類のものです(2条4項1号)。
遺族が捨てる家財・衣類・食器は、事業活動で生じたものではないため一般廃棄物です。他人の一般廃棄物を集めて運ぶ事業には、その区域の市町村長の許可が要ります(7条1項)。
国民生活センターは2018年の報道発表の脚注で、一般廃棄物は市町村の委託か許可を受けた事業者でなければ運搬・処分できず、「産業廃棄物処理業や古物商の許可では不可」と書いています。
産業廃棄物収集運搬業の許可や古物商許可は、家庭から出る遺品を運ぶ根拠にはなりません。
当社はこの記事の以前の版で、遺品整理業者が示す許可として産業廃棄物収集運搬業の許可を挙げていました。今回の改訂で廃棄物処理法と国民生活センターの資料を確認し直し、市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可に改めています。
無許可で業として収集運搬をすると、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金で、併科もあります(25条1項1号)。法人には3億円以下の罰金です(32条1項1号)。
許可業者の名義を借りて運ぶことは名義貸しの禁止に当たり(7条の5)、許可業者が収集運搬を他人に任せることも禁止されています(7条14項)。許可は市町村ごとで、市町村長は自らの収集運搬が困難な場合でなければ許可できません(7条5項1号)。新しく取る道が狭いというわけです。
出典: 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 2条・7条・7条の5・25条・32条、国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日)脚注5
許可を持たない業者が適法に営業する形は2つ
自社に一般廃棄物の許可がない場合、営業の形は2つに分かれます。作業だけを請け負い、運搬は市町村の許可業者か市町村の収集に任せる形と、値が付く物を古物商許可のもとで買い取る形です(第4章)。
| 作業の種類 | 必要な許可 | 根拠 |
|---|---|---|
| 仕分け・梱包・室内の清掃、建物から敷地内の集積場所や許可業者の車両までの運び出し | 許可は不要(作業の請負) | 廃棄物処理法が許可の対象とするのは、業として行う収集運搬と処分(7条1項) |
| 遺品(廃棄物)を敷地の外へ運ぶ・処分する | 市町村長の一般廃棄物収集運搬業許可。自社で持つか、許可業者・市町村の委託業者が行う | 廃棄物処理法7条1項、国民生活センター2018年報道発表 脚注5 |
| 値が付く遺品を買い取る | 都道府県公安委員会の古物商許可 | 古物営業法2条・3条 |
| 事業所・オフィスの整理で出た廃棄物を運ぶ | 金属くず・ガラスくず・廃プラスチック類など政令で定める種類は、都道府県知事の産業廃棄物収集運搬業許可(家庭の遺品には使えない)。書類や木製家具などそれ以外の物は事業系一般廃棄物で、市町村長の一般廃棄物収集運搬業許可 | 廃棄物処理法2条4項1号・7条1項・14条1項、同施行令2条 |
サイトには、誰が運ぶかを主体を分けて書きます。例えば「当社は仕分け・搬出・清掃を行います。廃棄物の収集運搬は、〇〇市の一般廃棄物収集運搬業許可業者(〇〇株式会社・許可番号〇〇)が行います」という形です。
許可がないのに「不用品を無料回収」「処分費込みで一括」「トラック積み放題〇円」と書くと、収集運搬を業として行う表示になります。7条1項の要件は「業として」行うことで、有償か無償かは問いません。無料でも、不要物であれば、反復して引き取って運べば収集運搬です。
許可業者を手配して運搬料込みの総額を自社が受け取る形は、自社が廃棄物の処理を引き受けて「収集運搬を業として行う者」(7条1項)と評価されないか、許可業者側の名義貸し(7条の5)に当たらないかが論点で、条文だけでは判断できません。
契約と料金の流れは、市町村の担当課と専門家に確認したうえで決めます。
ちなみに、産業廃棄物の管理票(マニフェスト)は産業廃棄物の制度で(12条の3)、一般廃棄物に法定の管理票はありません。「処分証明書を発行」と書くなら、誰がどこへ運んだかを記した自社の書面である旨を添えます。
当社は、サービスページの最初の画面に「誰が運ぶか」を書くことをおすすめします。料金や実績より先にこの説明を置くのが、遺品整理のサイトの土台です。
出典: 廃棄物処理法 7条・12条の3・14条、廃棄物処理法施行令 2条、古物営業法 2条・3条
「不用品回収」の語は誰が運ぶかと一緒に使う
「不用品回収」は48,400回、「不用品回収 業者」は11,840回で、「遺品整理」39,600回より大きい検索です。ただし、許可のない遺品整理業者が「不用品回収」を打ち出すと、収集運搬業を営む表示になります。
この場合、「回収」の語を使うページには、運ぶ事業者の名前と許可番号を添えます。
2. 「遺品整理 東京」のような地域名の検索が大きい
地域名を付けた検索は語順で差がある
| サービス名が先 | 月間推定検索数 | 地域名が先 | 月間推定検索数 |
|---|---|---|---|
| 遺品整理 東京 | 17,760 | 東京 遺品整理 | 704 |
| 遺品整理 大阪 | 17,760 | 大阪 遺品整理 | 2,320 |
| 遺品整理 福岡 | 6,480 | 福岡 遺品整理 | 256 |
| 遺品整理 札幌 | 704 | 札幌 遺品整理 | 208 |
| 遺品整理 名古屋 | 472 | 名古屋 遺品整理 | 576 |
| 遺品整理 横浜 | 312 | 横浜 遺品整理 | 472 |
※当社ツール「aramakijake.jp」によるGoogleの月間推定検索数(2026年9月26日調べ)。推定値なので、実際の検索回数とは異なる場合があります。
「遺品整理 東京」17,760回は、「東京 遺品整理」704回の約25倍です。大阪は約7.7倍、福岡は約25倍で、サービス名が先の語順のほうが大きくなっています。
一方、名古屋と横浜では、地域名が先のほうが大きい結果でした。語順の大小は都市によって違い、この6都市の範囲でも一方には決められない、というのが表から言える範囲です。
当社は、対応する都市ごとに両方の語順を調べ、大きいほうをエリアページのタイトルに置くことをおすすめします。
許可は市町村ごとなのでエリアページは誰が運ぶかを書く
第1章のとおり、一般廃棄物収集運搬業の許可は市町村ごとです。なので、対応エリアのページには、その市町村で誰が廃棄物を運ぶかを書く材料があります。
例えば「〇〇市では、廃棄物の収集運搬を市の許可業者〇〇株式会社(許可番号〇〇)が行います」と書けば、市の名前を並べただけのページとは中身が変わります。
自治体の案内も、市町村ごとに違います。例えば名古屋市は、遺品整理などで一度に大量に出るごみについて、通常の収集・自己搬入・市の許可業者への依頼の3つの方法を示しています。この場合、エリアページからこの案内にリンクし、確認日つきで要約します。
出典: 名古屋市「引越しや片付け、遺品整理などで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ)の処理」
背景の統計は需要の説明に必要な範囲で使う
会社紹介やコラムで需要の背景を書くときは、例えば次の公的統計を、出典と年を添えて使えます。
- 死亡数は160万5,378人(令和6年)で、明治32年の調査開始以来いちばん多い(厚生労働省 人口動態統計 確定数)
- 65歳以上の一人暮らしの人は671.7万人(令和2年国勢調査。内閣府 令和7年版高齢社会白書)
- 警察が取り扱った死体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は76,020体(令和6年)。65歳以上が58,044体で約76%(警察庁)
- 空き家は900万戸、空き家率13.8%(2023年10月1日時点。総務省 住宅・土地統計調査)
ただし、これらは遺品整理の需要そのものを数えた統計ではありません。内閣府のワーキンググループも、「孤独死」「孤立死」の統計上の定義は確立していないとしています。ちなみに、空き家900万戸には賃貸用や売却用も含まれます。
出典: 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」、内閣府「令和7年版高齢社会白書」第1章第1節、警察庁「警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者(令和6年)」、内閣府 孤独死・孤立死の実態把握WG取りまとめ(令和7年4月11日)、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)結果」
出張型のGoogleビジネスプロフィールは住所を非表示にする
地図と業者一覧の枠の情報源はGoogleビジネスプロフィールで、順位は関連性・距離・知名度で決まります(「SEOとMEOの違い」)。ヘルプは、口コミの数と評価の高さが知名度に関わると書いていますが、投稿の頻度は要素として挙げていません。
遺品整理の多くは、客先に出向く「非店舗型ビジネス」です。顧客を受け入れる店舗がなければ、Googleのガイドラインにより住所を非表示にし、サービス提供地域を設定します。
- サービス提供地域は市区町村や郵便番号で指定し、最大20か所まで
- ビジネス名は、サイトや書類で一貫して使っている正式名称だけ。「〇〇市遺品整理センター 格安・即日」のように、地域名や売り文句を足すことは禁止
- カテゴリは業務にいちばん近い具体的なものを選び、独自のカテゴリは作れない。遺品整理に当たるカテゴリ名は公式ヘルプで確認できなかったので、登録時に編集画面で確かめる
出典: Google「ローカル検索結果のランキングを改善するヒント」、Google「ビジネス情報のガイドライン」、Google「サービス提供地域を管理する」、Google「業種を管理する」

3. 見積もり・料金・キャンセルの書き方
国民生活センターが挙げるトラブルは4つの型
国民生活センターは2018年7月、遺品整理サービスの契約トラブルを公表しました。相談件数は、2013年度73件、2014年度109件、2015年度90件、2016年度114件、2017年度105件です。
トラブルは4つの型に整理されています。見積もりのつもりで呼んだ事業者に契約をせかされた、高額なキャンセル料を請求された、作業時に予定外の追加料金を請求された、大切な遺品を処分された、の4つです。
検索でも、「遺品整理 費用」3,520回・「遺品整理 相場」1,280回・「遺品整理 料金」1,040回・「遺品整理 見積もり」704回と、費用に関する語が並びます。この4つの型に事業者側から答えるページを、当社は費用の検索の受け皿と考えています。
出典: 国民生活センター 前掲報道発表(2018年7月19日)
訪問見積もりからその場で契約すると訪問販売になる
遺族の自宅など営業所以外の場所で契約を結ぶ役務の提供は、特定商取引法の訪問販売です(2条1項1号)。勧誘の前に事業者名と目的を明らかにし(3条)、申込書面と契約書面を渡し(4条・5条)、対価や解除条件について事実と違うことを告げてはなりません(6条1項)。
書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができ、事業者は、この期間の解除に損害賠償や違約金を請求できません(9条1項・3項)。
消費者が自宅での契約を請求した場合は、書面やクーリング・オフなど4条から10条までの規定が適用されません(26条6項1号)。
ただし消費者庁の通達は、見積もりだけを目的に訪問を頼んだ事業者とその場で契約した場合は適用除外に当たらないと考えられる、としています。国民生活センターも2018年の報道発表で同じ整理をしています。見積もりを頼まれただけでは、適用除外には当たらないと考えられています。
出典: 特定商取引に関する法律 2条・3条・4条・5条・6条・9条・26条、消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」、消費者庁 特定商取引法の通達(令和6年11月19日)、国民生活センター 前掲報道発表 脚注4
見積書に書く項目とその理由
| 見積書・料金ページに書く項目 | 書く理由 | 根拠 |
|---|---|---|
| 作業内容と対価の内訳(人件費・車両費・処分費) | 役務の種類と対価は訪問販売の書面の記載事項。内訳は、国民生活センターの事例で認識の違いが追加請求につながったので併記する | 特商法4条・5条、国民生活センター2018年 事例3 |
| 追加料金が発生する条件と決め方 | 「追加料金なし」と書いて当日に増額すれば、対価の不実告知・有利誤認になり得る。増額があり得るなら条件を同じ場所に書く | 特商法6条1項2号、消費者契約法4条1項1号、景品表示法5条2号、打消し表示の留意点 |
| 廃棄物を運ぶ事業者の名前と許可番号 | 一般廃棄物の収集運搬は許可業者しかできない(第1章) | 廃棄物処理法7条1項 |
| キャンセル料の時期と額 | 平均的な損害を超える部分は無効。求められたら算定根拠の概要を説明する努力義務がある | 消費者契約法9条1項1号・2項 |
| クーリング・オフに関する事項 | 訪問販売の書面の記載事項。期間内はキャンセル料を請求できない | 特商法4条・9条3項 |
| 見積もりの出張料・見積料の有無 | 国民生活センターが消費者に「事業者を呼ぶ前に確認」を求めている事項 | 国民生活センター2018年 アドバイス |
| 残す物と処分する物の確認方法(写真つきの一覧・タグ付けなど) | 「大切な遺品を処分された」型のトラブルに手順で答える | 国民生活センター2018年 4類型 |
事例3では、見積141,000円の契約で作業当日に廃棄物処理代の先払いを繰り返し求められ、最終請求が32万円になっています。
キャンセル料は、事例2で37万円の契約に17万円を請求された例が挙がっています。消費者契約法9条1項1号は「平均的な損害の額」を超える部分を無効としますが、遺品整理でどの水準までが平均的な損害かを示す先例は、本記事では確認していません。例えば人員と車両の手配費など、根拠を説明できる形で決めます。
「1K 30,000円〜」のように最低価格だけを大きく書き、実際の請求が車両費・階段料金・処分費でそれを大きく上回るのが通例なら、価格表示ガイドラインが「不当表示に該当するおそれがある」とする表示に当たり得ます。
出典: 消費者契約法 4条・9条、不当景品類及び不当表示防止法 5条、消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」、消費者庁「打消し表示に関する留意点」、国民生活センター 前掲報道発表(PDF)事例1〜3
「格安」「No.1」「行政協力」の扱い
景品表示法は、内容を著しく優良に見せる表示(5条1号)と、価格などを著しく有利に見せる表示(5条2号)を不当表示とします。消費者庁が求めた根拠資料を出せなければ、優良誤認とみなされます(7条2項)。提出期限は原則15日です(不実証広告ガイドライン)。
「業界最安」「地域最安値」は他社との比較なので、比較広告ガイドラインが求める実証された数値・正確な引用・公正な比較方法を満たす調査がなければ書けません。
「格安」は、価格表示ガイドライン第6が、対象の範囲と条件、安さの理由と程度を具体的に示すことを求める表示です。「〇〇市 遺品整理 格安」の語を題材にするなら、本文で最安を主張しない形にします。
「〇〇市で選ばれてNo.1」は、消費者庁のNo.1表示の報告書(令和6年9月)が、検索上位の同業だけを比較した調査や、自社の商品を継続的に買っている顧客だけを対象にした調査では合理的な根拠に基づくとはいえない、としています。
「行政協力」「自治体との連携実績」は、市町村からの委託(廃棄物処理法6条の2第2項)や福祉部門からの紹介の事実がある場合だけです。「〇〇市 不用品回収 行政」のような語で自治体の公的サービスと誤認させるページは、5条1号のおそれがあります。
「〇〇円〜」と請求額の開きがどこまで許されるかは、規定だけでは決まりません。消費者庁の窓口や専門家に確認します。
出典: 景品表示法 5条・7条、価格表示ガイドライン 第6、消費者庁「比較広告に関する景品表示法上の考え方」、消費者庁「不実証広告規制に関する指針」、消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(令和6年9月26日)、廃棄物処理法 6条の2
4. 買取・供養・特殊清掃のページ
買取は古物商許可とサイトの表示が前提
「遺品整理 買取」は1,520回の検索があります。一度使われた物品を買い取って売る営業は古物営業で、都道府県公安委員会の許可が要ります(古物営業法2条・3条)。無許可の営業は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(31条1号)。
「買取額を作業費から差し引きます」と書けるのは、許可がある事業者だけというわけです。
古物商には、氏名または名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号をサイトに掲載する義務があります(12条2項)。常時使用する従業者が5人以下の場合と、自社のウェブサイトを持たない場合は義務の対象外です(施行規則13条の2)。掲載義務に反すると、10万円以下の罰金です(35条2号)。
ただし、自社サイトで古物を販売する方法を届け出た特定古物商は、この例外の対象外です(12条2項・8条の2)。5人以下でも、掲載は妨げられません。当社は、許可を持つなら、例えば「古物商許可 〇〇県公安委員会 第〇〇号」の形で会社概要と買取ページに書くことをおすすめします。
出典: 古物営業法 2条・3条・8条の2・12条・31条・35条、古物営業法施行規則 13条の2
遺族宅での買取は訪問購入で頼まれていない貴金属の勧誘は禁止
営業所以外の場所で物品を買い取る取引は、特定商取引法の「訪問購入」です(58条の4)。勧誘を要請していない人への勧誘、勧誘を受ける意思の確認をしない勧誘、断った人への再勧誘が禁止されています(58条の6)。
書面の交付(58条の7・58条の8)と、書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフ(58条の14)も適用されます。
自動車・携行が容易でない家電・家具・書籍・有価証券・CDやDVDなどは、適用除外です(施行令34条)。つまり、貴金属・着物・時計など遺品で値が付きやすい物は規制の対象です。
消費者庁の執行状況では、2024年度から2026年度にかけて、訪問購入業者への業務停止命令が続いています。
例えば2026年2月には、電話で食器や植木鉢などの不用品の買取を持ちかけて訪問し、その場で貴金属・アクセサリー・宝石の買取を勧誘した事業者が、勧誘・申込受付・契約締結の業務について6か月の業務停止命令を受けました。
違反は、要請のない勧誘・意思確認のない勧誘・断った人への勧誘(58条の6第1〜3項)と、書面の記載不備(58条の8第2項)です。消費者庁のチラシも、希望した物品以外の貴金属などの買取を突然勧誘することは法律で禁止されている、と注意しています。
遺品整理で呼ばれた現場で、頼まれていない貴金属の買取を持ち出すことは、この処分と同じ構図になります。この場合、買取ページには「買い取るのは事前にお伝えした品目だけで、ご依頼のない貴金属などの勧誘はしません」「ご自宅での買取は8日間のクーリング・オフができます」と書きます。
「なんでも高価買取」を見積もり訪問の入口にする運用は、頼まれていない品目の勧誘(58条の6)につながります。買取価格や解除の条件について事実と違うことを告げること、威迫して決めさせることは禁止です(58条の10第1項・3項)。
「今決めないと安くなる」と即決を迫る言い方も、当社は使わないことをおすすめします。作業の契約書と買取の契約書を1枚にまとめる場合の書面要件は、専門家の確認が要ります。
出典: 特定商取引に関する法律 58条の4・58条の6・58条の7・58条の8・58条の10・58条の14、同法施行令 34条、消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問購入」、消費者庁 特定商取引法に基づく行政処分(令和8年2月18日公表)、消費者庁チラシ「訪問購入のトラブルにご注意ください」、消費者庁 執行状況(2024年度)、同(2025年度)、同(2026年度)
供養は誰がいつ行うかの事実を書く
「遺品整理 供養」の検索は24回と小さい一方、供養そのものを規制する法令は本記事の調査では見当たりませんでした。
表示の問題は、景品表示法5条1号です。実際に寺院で行っていないのに「合同供養」「お焚き上げ」と書くこと、提携していない寺院名を書くことは優良誤認になります。「供養証明書」を発行するなら、どの寺院がいつ行ったかを記載します。
ちなみに、第1章の「処分証明書」とは別の書面なので、分けて説明します。
特殊清掃の効果は保証せず手順と測定方法を書く
「特殊清掃」は14,480回、「孤独死 清掃」は208回の検索です。特殊清掃のページで「完全消臭」「臭いを100%除去」「99.9%除菌」と書くと、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料がなければ不実証広告になります(景品表示法5条1号・7条2項)。
清掃に使う消臭剤や除菌剤は、通常は雑貨です。「ウイルスを死滅させて感染症を予防」のような医薬品的な効能をうたうと、薬機法の誇大広告(66条)や未承認医薬品の広告(68条)と評価されるおそれがあります。雑貨の効能表示の境界は条文だけでは決まらないので、専門家に確認します。
書けるのは効果ではなく手順というわけです。例えば「防護服と手袋で作業する」「作業後に測定機器で臭気を測って報告する」のように、行っていることを書きます。
出典: 景品表示法 5条・7条、医薬品医療機器等法(薬機法)66条・68条

5. 遺族に向けたページで越えない線
相続放棄を考えている遺族には処分前の相談を案内する
「遺品整理 相続」は800回、「遺品整理 いつから」は472回の検索です。相続人は、相続の開始を知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・放棄のいずれかを選びます(民法915条1項)。
相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認をしたものとみなされます。保存行為は除かれます(921条1号)。相続放棄を考えている遺族が遺品の処分を依頼すると、放棄できなくなるおそれがある、というのが条文から言えることです。
サイトには、この条文を事実として案内し、「相続放棄を検討中の方は、処分を始める前に弁護士などにご相談ください」と書きます。どの行為が保存行為に当たるかは個別の事情で決まるため、事業者の側では線を引きません。
「相続放棄しても問題ありません」「相続税はかかりません」「名義変更はこうすれば」と個別に判断・助言することを反復して行えば、弁護士法72条・税理士法52条・司法書士法73条の業務範囲に触れ得ます。
弁護士法72条は報酬目的が要件ですが、税理士法と司法書士法は無償でも対象です(国税庁 税理士制度のQ&A 問2-2)。
「相続もまとめてサポート」と書くなら、士業が対応することを明記します。提携する士業を紹介して紹介料を受け取る形は弁護士法72条の「周旋」に、貸主と原状回復費用を交渉する代行も同じ条文の問題になり得るので、専門家に確認します。
出典: 民法 915条・920条・921条、弁護士法 72条・77条、税理士法 2条・52条、国税庁「税理士制度のQ&A」問2-2、司法書士法 3条・73条
作業写真は遺族の個人情報として扱う
個人情報保護法の対象は、「生存する個人に関する情報」です(2条1項)。故人の情報は直接の対象ではありませんが、個人情報保護委員会のQ&A(Q1-21)は、死者の情報が同時に遺族など生存する個人の情報でもある場合は、その人の個人情報になるとしています。
孤独死や事故の事情を含む故人宅の情報は、遺族の家族関係を示す遺族の個人情報に当たり得ます(Q&A Q1-21)。この場合、作業前後の写真は、例えば表札・郵便物・写真・書類・外観など特定につながる部分を加工し、掲載前に遺族の書面の同意を取ります。
「事故物件」「孤独死」と物件が特定できる形で公開しないこと、口コミへの返信で故人の名前・住所・死因を書かないことも、同じ理由です。
出典: 個人情報の保護に関する法律 2条、個人情報保護委員会 ガイドラインに関するQ&A Q1-21
口コミの依頼は見返りなしで全員に同じ形で
口コミの基準は、Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーです。見返りと引き換えの依頼、否定的な口コミの妨害、肯定的な口コミの選択的な募集、特定の内容を含める依頼が禁止されています。見返りを提供せず、内容に影響を与えずに実体験の投稿を促すことは許可されています。
「ご満足いただいた方に」依頼する方法は、肯定的な口コミを選択的に募る行為に当たり得ます。全員に同じタイミングで同じ文面を案内し、投稿の有無と内容は相手に任せます。「投稿で次回割引」も、割引がインセンティブに含まれるため禁止です。
景品表示法のステルスマーケティング告示(2023年10月1日施行)が問題にするのは、事業者が投稿内容の決定に関与する場合です。
運用基準は、謝礼のクーポンを配っても投稿内容に一切関与していなければ事業者の表示に当たらないとする一方、例えば「星5で」「この文面で」と内容に条件を付ければ事業者の表示になるとしています。
自社サイトの「お客様の声」は、事業者の表示です。本人の許諾を得た実際の声を、改変せずに載せます。
出典: Google「マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー」、内閣府告示第19号(令和5年3月28日)、消費者庁 ステルスマーケティング告示の運用基準
「遺品整理士」は民間資格と明記する
「遺品整理士」は4,320回、「遺品整理 資格」は576回の検索です。遺品整理士は、一般財団法人遺品整理士認定協会が養成講座と認定試験で認定する民間資格で、講座は2011年11月に開講しました。遺品整理士の会員数は、2024年6月3日の公表で60,000名を超えています。
国家資格ではないので、「公的資格」「〇〇省認定」と誤認させる書き方や、資格者がいないのに「有資格者が対応」と書くことは景品表示法5条1号の問題です。「事件現場特殊清掃士」も、一般社団法人事件現場特殊清掃センターが認定する民間資格です。
当社は、「遺品整理士(一般財団法人遺品整理士認定協会の認定資格)」のように、認定団体を添えて書くことをおすすめします。
出典: 一般財団法人遺品整理士認定協会、一般社団法人事件現場特殊清掃センター、景品表示法 5条
6. まとめ
遺品整理のSEOは、エリアページを増やす前に、誰が運ぶかと契約の条件を法律の形式どおりに書く作業です。公開前に確認するのは、次の5つです。
- 許可の説明: サービスページの最初の画面に、廃棄物を運ぶ事業者の名前と許可番号があるか。産業廃棄物の許可を遺品整理の資格として並べていないか。「無料回収」を許可なしに書いていないか
- 地域名とGoogleビジネスプロフィール: 都市ごとに語順の検索数を調べたか。エリアページに、その市町村で誰が運ぶかがあるか。住所非表示・サービス提供地域・正式名称になっているか
- 見積もりと料金: 内訳・追加料金の条件・キャンセル料の時期と額・クーリング・オフ・出張料の有無を書いたか。「〇〇円〜」「格安」「No.1」「行政協力」に根拠と条件があるか
- 買取・供養・特殊清掃: 古物商許可の3項目をサイトに書いたか。頼まれていない貴金属の勧誘をしないと書いたか。供養は寺院と日付の事実か。消臭・除菌の効果を保証していないか
- 遺族に向けたページ: 相続放棄前の処分の案内があり、個別の助言をしていないか。写真は書面同意と加工を経ているか。口コミの依頼は見返りなし・選別なしか。遺品整理士は民間資格と書いたか
許可業者を手配して総額を受け取る形、キャンセル料の水準、「〇〇円〜」の開き、雑貨の効能表示は、規定だけでは決まりません。市町村・消費者庁の窓口や専門家に確認してから公開してください。
許可と契約の決まりを守ったうえで、遺族の疑問に事実と手順で答えるのが遺品整理のSEOです。書き方の基本は「SEOライティングとは」で、他の業種は「業種別SEO対策ガイド」をご覧ください。
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
検索順位が上がらない理由は、SEO対策の質が低いからです。
例えば、ユーザーの検索意図を無視したり、関連性の低いコンテンツを増やす、内部リンクの最適化など疎かにします。
この場合、SEO対策の質が下がります。
そうなれば、ページやサイト自体の品質が上がらないので、Googleに評価されづらくなります。
結果、検索順位が上がらないというわけです。
こうした悪い状況を回避する為に、サイトの欠点を調査して上位化に必要な対策をご案内します(無料)。
検索順位を上げたり、検索流入を増やすにはSEOが重要!


