エステサロンのSEO対策|使えないキーワードとコース契約・料金の書き方
エステサロンのホームページを作ったのに、予約はほとんど予約ポータルから入ってくる。脱毛や痩身のページに、効果や料金をどこまで書いてよいのかも分からない。そう悩んでいるサロンのオーナーやWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、エステサロンのSEO対策は、検索数の大きいキーワードを追う前に、エステでは使えないキーワードとコース契約のルールに合わせてページを作るのが基本です。
「医療脱毛」や「HIFU」は検索数が大きいキーワードですが、エステでは行えない施術を指すからです。また、1か月を超えて総額5万円を超えるコースは、特定商取引法の特定継続的役務提供に当たります。
当社ツールで調べると、「医療脱毛」と「HIFU」の月間推定検索数はどちらも108,000回で、「エステ」と同じでした。「エステサロン」は17,760回です。
今回はフェイシャル・痩身・脱毛のエステサロンと、個人サロン・自宅サロンのオーナーやWeb担当者に向けて、使えないキーワード・コース契約のページ・クーポンと料金・効果と写真の書き方・Googleビジネスプロフィールと口コミを解説します。
美容医療を行うクリニックについては「クリニックのSEO対策」で、SEOそのものの基礎は「SEOとは」で解説しています。
この記事でわかること
- 「医療脱毛」「HIFU」各108,000回などの独自データと、エステのページで使えないキーワード。脱毛とHIFUに関する厚生労働省の通知と医師法17条、光脱毛やキャビテーションで専門家への確認が要る点
- 1か月超・5万円超のコース契約が特定継続的役務提供に当たること。書面・誇大広告・クーリング・オフ・中途解約の上限の計算例、化粧品やサプリなどの関連商品、体験当日の勧誘の処分例
- 予約ポータルのクーポンの有効期限を毎月更新した措置命令、通常価格の提供実績、月額表示と総額。体重の数字と部分痩せの課徴金、「個人差があります」の扱い、No.1、機器と化粧品の書き方
- 自宅サロンの住所とGoogleビジネスプロフィール、まつ毛エクステ併設の美容師法の届出、「マッサージ」の語、施術写真とカウンセリングシートの同意、口コミの頼み方とステマ告示の関係
おすすめの読者層
- フェイシャル・痩身・脱毛のエステサロンや個人サロン・自宅サロンのオーナーで、効果や料金をページにどこまで書いてよいか迷っている方
- エステサロンのホームページ・予約ポータルの店舗ページ・Googleビジネスプロフィールを制作・運用するWeb担当者と、SEOの担当者
1. 検索数が大きくてもエステでは使えないキーワードがある
医療の施術を指すキーワードとエステのキーワードの検索数
| 検索キーワード | 月間推定検索数 | エステのページで使えるか | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 医療脱毛 | 108,000 | 使わない(当社の推奨)。医療機関の脱毛を指すキーワード | 医師法17条、脱毛の通知(平成13年) |
| HIFU | 108,000 | 使わない。メニューにも載せない | 医師法17条、HIFUの通知(令和6年) |
| ハイフ | 48,400 | 使わない。ハッシュタグにも入れない | 同上 |
| エステ | 108,000 | 使える | ― |
| 脱毛 サロン | 32,400 | 使える。「永久」を付けない | 脱毛の通知 |
| フェイシャルエステ | 21,680 | 使える | ― |
| エステサロン | 17,760 | 使える | ― |
| キャビテーション | 17,760 | 機器の名前でページを作る前に確認が要る | 医師法17条・薬機法(要専門家確認) |
| 痩身エステ | 14,480 | 使える。効果の書き方は4章 | 景品表示法、特定商取引法43条 |
| 光脱毛 | 3,520 | 施術の内容を正確に書く前提で使う | 脱毛の通知(線引きは要専門家確認) |
※当社ツール「aramakijake.jp」によるGoogleの月間推定検索数(2026年9月27日調べ)。推定値なので、実際の検索回数とは異なる場合があります。
「ハイフ」は48,400回で、「フェイシャルエステ」21,680回の2倍以上です。
例えば「脱毛 サロン」32,400回は、「光脱毛」3,520回の約9.2倍でした。表から言えるのは、キーワードどうしの検索数の大小までです。
当社は、表で「使わない」としたキーワードを、タイトル・見出し・メニュー名・ハッシュタグのどこにも入れないことをおすすめします。
ちなみに「メンズエステ」は360,000回と大きいキーワードですが、一般のエステとは別の業態を指すことが多いキーワードなので、当社はこの記事の対象にしていません。
脱毛は医師法17条の通知が線を引いている
医師法17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定めています。厚生労働省の平成13年11月8日の通知は、次の行為を、医師免許のない者が業として行えば医師法17条に違反するとしています。
- 「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」
- 酸などの化学薬品を皮膚に塗り、しわやしみに対して表皮を剥離する行為
エステで行う光脱毛がこの行為に当たるかは、通知が出力などの基準を示していないので、規定だけでは判断できず専門家への確認が要ります。
消費者庁の特定商取引法の解説は、エステの施術を「医師等の資格を有しない者でも行える行為であり、人体に対する影響が限定的であるもの」と説明しています。美容医療との区別は、行う人や場所ではなく行為の内容で決まるとしています。
医療機関でないサロンが「医療脱毛」と書けば、施術の内容を実際と違って示す表示になります。「永久脱毛」は、毛乳頭などを壊す施術をしているか、実際と違う効果をうたっているかのどちらかに受け取られます。
「医療脱毛」「永久脱毛」と、「治療」「治る」はエステのページで使わないのが当社の考えです。
HIFUは機器を問わず医師法違反とされた
厚生労働省は令和6年6月7日の通知で、「用いる機器が医療用であるか否かを問わず」HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固を起こさせ得る行為を、医師免許のない者が業として行えば医師法17条違反としました。
令和5年3月31日の通知は、しわ・たるみの改善や痩身をうたうHIFUの機器は医療機器に当たるとし、その時点で「美容目的で使用されるために我が国において承認された HIFU 機器は存在しません」と書いています。
消費者安全調査委員会の報告書(2023年3月29日)によると、事故情報データバンクに登録されたHIFUの施術による事故は135件で、70%が顔で起きていました。
2024年6月のフォローアップでは、経済産業省の要請で、美容の予約ポータルに載っていたHIFUの施術の広告表記が削除されたと報告されています。
当社ツールでは「ハイフ 危険」も256回ありました。HIFUのメニューも「#ハイフ」のハッシュタグも、サロンのページやSNSに載せないでください。
出典: 医師法 17条、厚生労働省「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日)、厚生労働省「医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について」(令和6年6月7日)・「HIFUに関する監視指導の徹底について」(令和5年3月31日)(消費者庁掲載の写し)、消費者庁「特定商取引に関する法律・解説(令和7年6月1日時点版)」第4章、消費者安全調査委員会「エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」報告書・フォローアップ
2. コース契約のページは特定継続的役務の決まりで作る
1か月超で5万円超のコースが対象になる
特定商取引法は、エステを特定継続的役務の1つにしています。施行令の別表は「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術」と定め、消費者庁の解説は美顔・脱毛・体型補正・痩身の施術と説明しています。
対象は、提供期間が1か月を超え、支払いの総額が5万円を超える契約です。総額には入会金や、施術に必要だとして買ってもらう化粧品・健康食品などの代金も含みます。
例えば有効期限のない回数券は、期間が1か月を超えるものとして扱われます。体験1回のページは対象外でも、そのあとに結ぶコース契約は対象になりえます。
ちなみに、美容医療も2017年12月から特定継続的役務に加わりましたが、エステとは別の類型で、中途解約の上限も違います。
月額制のプランが「1か月を超える」に当たるかは、解説に学習塾の月謝の例があるだけで、エステの月額制に当てはめた記述はありません。規定だけでは判断できず、専門家への確認が要ります。
消費者庁の令和8年版消費者白書では、エステティックサービスが20歳代の消費生活相談で商品・サービス別の2位(7,414件)でした。国民生活センターは、脱毛エステの相談が年間2,800件を超え、その半数前後が解約に関わると公表しています。
書面と広告と勧誘の決まり
対象になる契約には、次の決まりがかかります。
- 書面(42条): 契約の前に概要書面、契約の後に契約書面を渡す。施術の内容・購入が必要な商品・金額・期間・クーリング・オフ・中途解約などを書く
- 誇大広告の禁止(43条): 施術の内容・効果・対価・期間・解約などについて、著しく事実と違う表示や、実際より著しく良い・有利と誤認させる表示をしない(施行規則103条)
- 不実告知の禁止(44条): 勧誘で事実と違うことを告げない。解説は「1か月通えば必ず○kg 痩せられます。」という説明を例に挙げている
- クーリング・オフ(48条): 契約書面を受け取った日から8日間は、書面または電磁的記録で解除できる
- 中途解約(49条): 8日を過ぎても解約でき、事業者が請求できる額に上限がある
中途解約で請求できる額には上限がある
エステの上限は、施術を始める前なら2万円です。始めた後は、提供済みの施術の対価に「2万円」と「契約残額の10%」の低いほうを足した額が上限になります(49条2項、施行令別表第四)。
消費者庁の解説は、次の例で計算しています。
| 精算の段階 | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 契約時に払った額 | 65万円 | 入会金5万円と施術料60万円(2万円×30回) |
| 提供済みの施術の対価 | 40万円 | 20回受けたところで解約。契約時の単価2万円×20回 |
| 上乗せできる額 | 2万円 | 2万円と契約残額の10%の低いほう |
| 請求できる上限 | 42万円 | 40万円+2万円 |
| 返す額 | 23万円 | 65万円-42万円 |
解説は、契約のときは「キャンペーン特別価格」で計算し、解約のときは「通常料金」で精算することは許されないとしています。入会金も、提供済みの対価に当たる合理的な範囲でしか精算に含められません。
クーリング・オフと中途解約について、消費者に不利な特約は無効です(48条8項・49条7項)。「途中解約はできません」「前払金は返金しません」を規約やよくある質問に書いても通用しません。
当社ツールでは、「エステ クーリングオフ」が256回で、「エステ 料金」136回より大きい推定値でした。
当社は、コースの料金ページに、クーリング・オフの期間と中途解約の精算方法を書いておくことをおすすめします。精算は契約時の単価で計算することと、上乗せの上限を書けば、契約書面と食い違いません。
化粧品やサプリも関連商品として解約の対象になる
施術に必要だとして買ってもらう商品は関連商品になり、クーリング・オフと中途解約の対象です(48条2項・49条5項)。施行令と消費者庁の解説は、健康食品・化粧品・石けん・浴用剤・下着・美顔器や脱毛器を挙げています。
例えば、自社の通販サイトで売っても、扱いは同じです。健康食品・化粧品・石けん・浴用剤は、お客様が自分で使うとクーリング・オフできなくなります。ただし、サロンが使わせた場合は例外で、契約書面にその旨が書かれていなければ使った後でもできます(48条2項ただし書)。
クーリング・オフを妨げるために契約の場で商品を開けて使わせることは、指示の対象になる禁止行為です(施行規則106条6号)。
2026年1月29日、消費者庁は痩身エステの事業者に3か月の業務停止を命じました。酵素ドリンクの定期購入をコース契約の条件にし、クーリング・オフはできない、4回が終わるまで解約できないと告げたことが不実告知とされた事例です。
この場合、通販ページの「定期購入は途中解約不可」の表示は、コース契約の関連商品にはそのまま通用しません。「追加料金は一切かかりません」と書くなら、関連商品を条件にしていないことが前提です。
体験のページと当日の勧誘を一致させる
2026年3月5日には、脱毛エステの事業者に指示が出ました。体験やカウンセリングに来た収入の少ない学生に、親への相談を妨げるなどして約40〜50万円の契約を結ばせ、「この金額は今日限りです」と勧誘した事例です。
体験のページに「強引な勧誘はありません」と書くなら、当日の契約を求めない運用が前提になると当社は考えています。「今日だけの価格」を前提にしたページも作らないでください。
返金保証を設ける場合は、条件を保証の文言のすぐ隣に書きます。法律で決まっている中途解約の精算とは別のものなので、両者は混ぜずに書いてください。
出典: 特定商取引法 41条〜49条、同法施行令 別表第四・別表第五、同法施行規則 103条・106条、消費者庁「特定商取引に関する法律・解説(令和7年6月1日時点版)」第4章、消費者庁「令和8年版消費者白書」、国民生活センター「脱毛エステの通い放題コースなどでの中途解約・精算トラブルに注意!」(2021年12月23日)、消費者庁 特定商取引法に基づく行政処分(2026年1月30日公表)、消費者庁 特定商取引法に基づく行政処分(2026年3月6日公表)

3. クーポンの有効期限と料金の表示
期限を毎月更新したクーポンに措置命令が出た
2026年3月25日、消費者庁はエステサロンを運営する3社に景品表示法の措置命令を出しました。予約ポータルのクーポンに「有効期限:2024年12月末日まで」などと書き、その期限を月ごとに更新していた事例です。
実際には、期限を過ぎて申し込んでも同じ割引で施術を受けられました。消費者庁は、これを有利誤認(5条2号)としています。
2026年3月3日には、別のエステサロンの同じ形の表示について、確約計画が認定されました。確約計画の認定は、違反を認定したものではありません。
命令を受けたのは予約ポータルの運営会社ではなく、サロンの運営会社です。予約ポータルに載せたクーポンも、サロン自身の表示として扱われます。
この場合、期限を書くなら、期限を過ぎたら元の価格に戻す運用にしてください。毎月同じ割引を続けるなら、期限を書かない表示にするのがよいと当社は考えています。その場合も、割引前の価格を並べて書くなら、その価格に次の節で書く最近の提供実績があるかを確かめてください。
通常価格は最近の提供実績がある価格だけ
消費者庁の価格表示の指針は、比べる価格に「最近相当期間にわたって販売されていた価格」でない価格を使うと、不当表示のおそれがあるとしています。
目安は、セールを始める前の8週間のうち過半の期間、通算2週間以上その価格で提供していたことです。最後にその価格で提供してから2週間以上たっていないことも求められます。
2025年8月28日に確約計画が認定されたフェイシャル専門サロンの事例でも、最近相当期間に提供した実績のない価格をクーポンの比べる価格にしていたことが、違反の疑いの対象になりました。
例えば「初回〇円(通常〇円)」のように、初回限定の価格と「通常価格」を並べる表示があります。この表示に8週間の目安をそのまま当てはめるかは、消費者庁の窓口か専門家に確かめてください。
他のサロンとの価格の比較も、比較広告の考え方の要件を満たす必要があります。料金の説明は自社の内訳にとどめるのが当社の考えです。
月額の表示は総額と回数を同じ場所に書く
2022年3月3日には、脱毛サロン3社に措置命令が出ました。「全身脱毛62部位が月額1,409円」「最短3カ月で脱毛完了」と表示し、3か月で完了すれば総額4,227円で済むかのように見せていましたが、実際の総額は64,790円以上でした。
月額や1回あたりの価格を出すなら、回数・期間・総額と関連商品を同じ場所に書きます。例えば「月額〇円(全〇回・〇か月、総額〇円)」と書けば、月額だけが目立つ表示にはならないというわけです。
予約ポータルとホームページで料金が食い違うと、どちらが正しいのか分からなくなります。料金を変えたときは、両方を同じ日に直してください。
出典: 景品表示法 5条、消費者庁 景品表示法に基づく措置命令(2026年3月26日公表)、消費者庁 確約計画の認定(2026年3月3日)、消費者庁 確約計画の認定(2025年8月28日)、消費者庁 景品表示法に基づく措置命令(2022年3月3日)、消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」、消費者庁「比較広告に関する景品表示法上の考え方」
4. 効果・写真・機器・化粧品の書き方
体重の数字と部分痩せの表示に課徴金が出た
2026年2月17日、消費者庁は痩身の施術を行う事業者に、361万円の課徴金の納付を命じました。自社サイトに「-7.3kgの体験! ※効果には個人差があります」と書き、部分痩せのプログラムに「全ての脂肪・セルライトに絶大な効果があります」と書いていた事例です。
消費者庁は、施術を受けるだけで脚やお腹が著しく痩せるかのように示す表示としました。事業者は、求められた期間内に合理的な根拠の資料を出しませんでした。
景品表示法には不実証広告規制があります。消費者庁が効果の根拠の資料を求め、期間内に出せなければ、措置命令では不当表示とみなされ(7条2項)、課徴金納付命令では不当表示と推定されます(8条3項)。特定商取引法にも、誇大広告について同じような仕組みがあります(43条の2)。
効果・回数・期間を書くなら、誰を対象に、何人中何人に、どの条件で確かめたかという裏付けを先に用意してください。食事指導などの併用が前提なら、そのこともページに書きます。
「個人差があります」では誤認は変わらない
消費者庁の打消し表示の留意点は、「個人の感想です。効果には個人差があります」と書いても、体験談から受ける「大体の人」が効果を得られるという認識は「変容することはほとんどない」としています。
留意点が求めるのは、体験者の数と属性、同じような効果が得られた人の割合、得られなかった人の割合などを示すことです。
当社は、ビフォーアフター写真を、同じ施術を受けた人のうち同じような変化があった割合・回数・期間・併用した条件を同じ場所に書ける場合だけ載せることをおすすめします。書けなければ載せないでください。効果に関わる写真の加工もしません。
No.1や満足度の表示
2022年6月15日、予約ポータルの店舗ページに「バストアップ第1位 施術満足度」などと表示したエステサロンに、措置命令が出ました。調査は利用者を対象にしておらず、順位も1位ではなかった事例です。
消費者庁のNo.1表示の実態調査報告書(2024年9月26日)は、利用経験を問わないイメージ調査や、継続して利用している顧客・社員だけを選んだ調査は、合理的な根拠に基づくとはいえないとしています。
「地域で口コミ評価がいちばん高いサロン」のような最上級の表示も、比べた対象と調べ方を示せなければ書けません。
機器は名前と施術の流れの説明にとどめる
薬機法は、病気の治療や予防、体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とした機器を医療機器としています(2条4項)。承認や認証を受けていない医療機器の名称や効能の広告は、「何人も」してはならないとされ、サロンも対象です(68条)。
機器の名前を出して「脂肪を減らす」「たるみを引き上げる」のように体への作用をうたうと、その機器が医療機器に当たると判断されうることになります。キャビテーション・ラジオ波などの個別の機器と、「引き締め」のような表現がどこまで許されるかは、専門家への確認が要ります。
この場合、機器のページは、名前・施術の流れ・所要時間・受けられない人の条件の説明にとどめてください。「最先端」「最新」も、根拠を示せなければ書かないでください。
店販の化粧品は56項目の範囲で書く
化粧品の効能として広告できるのは、厚生労働省の基準が示す56項目の範囲です。例えば「肌を整える」「肌のキメを整える」「肌をひきしめる」「皮膚にうるおいを与える」「肌にはりを与える」は範囲に入ります。
「シミが消える」「たるみが取れる」は範囲の外です。使用前後の写真で、認められた範囲の外の効能を思わせる表現も認められていません。
サプリや酵素ドリンクを「飲めば痩せる」と売ると、健康増進法65条と景品表示法が関わります。「脂肪燃焼」「代謝を上げる」のように体の働きへの作用をうたえば、医薬品的な効能として薬機法68条の問題にもなります。コース契約の条件にしていれば、2章の関連商品の決まりも重なります。
出典: 消費者庁 景品表示法に基づく課徴金納付命令(2026年2月17日)、景品表示法 7条2項・8条3項、消費者庁「不実証広告規制に関する指針」、消費者庁「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」、消費者庁 景品表示法に基づく措置命令(2022年6月15日)、消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(令和6年9月26日)、医薬品医療機器等法 2条4項・66条・68条、厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」、健康増進法 65条、消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」

5. 個人サロン・自宅サロンのGoogleビジネスプロフィールと口コミ
自宅サロンは来店を受けるかどうかで住所の扱いが決まる
Googleのガイドラインは、「Google に住所を掲載する場合、その住所に、ビジネスの名称の掲示を常設する必要があります」としています。自宅で来店を受けるサロンが住所を登録するなら、サロンの名称を書いた看板やプレートを常に掲げておきます。
一方、出張だけで施術するなら、住所を削除してサービス提供地域を設定します。来店と出張の両方を行うサロンでも、拠点に看板を常設していなければ店舗とは認められず、非店舗型として登録するようGoogleのヘルプは案内しています。
来店だけを受けながら住所を隠す設定は案内されていません。住所を公開するかどうかの防犯面の判断は、サロン自身で行ってください。
ビジネス名は、看板などで実際に使っている名称だけにします。例えば「〇〇サロン|渋谷の痩身・小顔」のように、地域名やメニュー名を足して登録することはできません。
ちなみに、コース代金や物販の申込みと支払いをWebで受けるなら、通信販売の広告として氏名・住所・電話番号の表示が要ります(特定商取引法11条、施行規則23条)。自宅の住所を省略できる条件は、専門家に相談して決めます。
駅や街の名前を所在地の説明に書く
地域名を付けたキーワードでは、「銀座 エステ」が2,320回で、「東京 エステ」704回の約3.3倍でした。「福岡 エステ」は1,520回、「エステ 福岡」は800回で、語順でも推定値に差があります。都市名か街の名前か、語順はどうかでも推定値が変わるというわけです。
Googleは、ローカル検索の結果は主に関連性・距離・知名度に基づいて表示されるとしています。所在地の説明には、都市名だけでなく最寄り駅や街の名前も書いておくとよいと当社は考えています。
併設するメニューで必要な免許と届出が変わる
国の法律には、エステに固有の許可・届出の制度は見当たりません。自治体の条例で決まりがあるかは、開業する自治体に確認してください。
まつ毛エクステを併設するなら事情が変わります。厚生労働省は、まつ毛エクステを美容師法の美容行為に含めています。美容師の免許(6条)に加え、美容所の開設の届出(11条)と、使う前の構造設備の検査確認(12条)が必要です。
また、美容所以外の場所では原則として施術できないので(7条)、出張のメニューには入れられません。
「マッサージ」は、あはき法で免許が必要な業です(1条)。厚生労働省のガイドラインは、無資格者が国家資格の業をしていると誤認させる表示や、腰痛・肩こりなどの症状への施術の表現を掲載すべきでないとしています。
「リンパマッサージ」は88,000回と大きいキーワードです。ただ、エステのメニュー名に「マッサージ」を使うことが、あはき法とガイドラインにどう関わるかは専門家への確認が要ります。この場合、確認できるまでは、例えば「リンパドレナージュ」のように別の名前にしておきます。
エステティシャンの資格は民間の資格です。消費者安全調査委員会の報告書も、エステティシャンには資格規制がないと書いています。なので、スタッフ紹介では資格名と認定した団体を書き、国家資格の美容師免許と同じ扱いに見せないでください。
「〇〇認定エステティシャンが担当」のように担当者の資格を契約で約束するなら、その内容を概要書面と契約書面に書く必要があります(特定商取引法施行規則92条1項・93条1項4号)。
施術写真とカウンセリングシートは本人の同意で扱う
カウンセリングシートの既往歴や服薬には、個人情報保護法の要配慮個人情報(病歴など)に当たるものがあります。取得には原則として本人の同意が要り(20条2項)、書面で集めるなら利用目的をあらかじめ示します(21条2項)。どの項目が当たるかは、個別に専門家の判断を仰いでください。
顔が分かる施術写真は個人情報です。自社サイト・SNS・予約ポータルのどこに載せるかを示し、載せる場所ごとに書面で同意を得ておくべきだと当社は考えています。
Googleビジネスプロフィールに施術写真を載せる場合は、お客様の顔にモザイクをかけるなど、誰か分からない形に加工してから載せてください。加工しても、施術の前後を並べて効果を示す使い方には第4章の決まりがかかります。
口コミは全員に同じ方法で後から書ける形で頼む
当社は、来店したお客様全員に同じ方法で、後から投稿できる形で口コミをお願いすることをおすすめします。例えば、会計のときに投稿先のQRコードを載せたカードを全員に渡し、書くかどうかはお客様に任せる形です。
Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーは、口コミについて次のことを禁じています。
- 見返り: 投稿や否定的な口コミの修正・削除と引き換えに、割引・無料のサービス・金銭などを提供する
- 選別: 肯定的な口コミだけを選んで募る、否定的な口コミの投稿を妨げる
- その場での要求: その場で評価や口コミを書くよう要求・強要する、特定の内容を入れるよう頼む
- スタッフへの要求: 一定数の口コミを集めることや、スタッフ名などの内容を入れた口コミを募ることを求める
スタッフや家族による投稿も、利益相反のコンテンツとして削除の対象です。満足していそうな人にだけ声をかける運用は、選別に当たります。
星5を条件にした割引は確約計画の対象になった
2025年8月28日、消費者庁はフェイシャル専門サロンの確約計画を認定しました。予約ポータルの口コミで、星5の投稿を条件に次回500円割り引くと伝えていたことや、従業員が星5の口コミを投稿していたことなどが対象です。
疑われたのは、景品表示法のステルスマーケティング告示(5条3号)などです。確約計画の認定は、違反を認定したものではありません。
ステマ告示が問題にするのは、事業者が投稿の内容の決定に関わる場合と、販売を促す立場の従業員の投稿です。星5を割引の条件にすれば、評価の内容に関わることになります。
一方、消費者庁の運用基準は、ECサイトのレビューへの謝礼として割引クーポンを配っても、投稿の内容について一切やり取りがなければ、事業者の表示に当たらない例を示しています。
Googleの口コミへの割引をやめる根拠は、Googleのポリシーです。予約ポータルの口コミは、各ポータルの規約も確認してください。
出典: Google「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」、Google「サービス提供地域を追加する」、Google「ローカル検索結果のランキングを改善するヒント」、厚生労働省「美容師法」、美容師法 6条・7条・11条・12条、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 1条、厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関するガイドライン」(令和7年2月18日)Ⅶ、消費者安全調査委員会「エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」報告書、特定商取引法 11条、同法施行規則 23条・92条・93条、個人情報の保護に関する法律 2条・20条・21条、Google「マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー」、内閣府告示第19号(令和5年3月28日)、消費者庁 ステルスマーケティング告示の運用基準 第2
6. まとめ
エステサロンのSEOは、ページを増やす前に、使えないキーワードを外し、コース契約・料金・効果・口コミの扱いを法律とGoogleのポリシーに合わせる作業です。公開前に確認するのは次の5つです。
- キーワード: 「医療脱毛」「永久脱毛」「HIFU」「ハイフ」「治療」がタイトル・メニュー名・ハッシュタグにないか
- コース契約: 総額・回数・有効期限・関連商品を書いたか。クーリング・オフと中途解約の精算方法を書いたか。「途中解約不可」「返金不可」がないか
- クーポンと料金: 期限を過ぎたら元の価格に戻しているか。通常価格に最近の提供実績があるか。月額の近くに総額と回数があるか。予約ポータルと料金がそろっているか
- 効果と写真: 体重の数字や部分痩せの表示に根拠の資料があるか。ビフォーアフターに割合と条件を書けるか。機器の作用や56項目の外の効能をうたっていないか
- プロフィールと口コミ: 自宅サロンの住所の扱いと名称の掲示。併設メニューの免許と届出。口コミを全員に見返りなしで頼んでいるか
本文で「専門家への確認が要る」とした点は、弁護士などの専門家や、所管の行政機関に確認してから公開してください。
他の業種のガイドは「業種別SEO対策ガイド」でまとめています。
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
検索順位が上がらない理由は、SEO対策の質が低いからです。
例えば、ユーザーの検索意図を無視したり、関連性の低いコンテンツを増やす、内部リンクの最適化など疎かにします。
この場合、SEO対策の質が下がります。
そうなれば、ページやサイト自体の品質が上がらないので、Googleに評価されづらくなります。
結果、検索順位が上がらないというわけです。
こうした悪い状況を回避する為に、サイトの欠点を調査して上位化に必要な対策をご案内します(無料)。
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