クリニックのSEO対策|自由診療・オンライン診療・医師紹介の書き方
内科や皮膚科のクリニックのホームページを作ったのに、検索からの予約が増えない。自由診療やオンライン診療のページに、何をどこまで書いてよいのかも分からない。そう悩んでいる院長やWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、クリニックのSEO対策は医療法の広告のルールに沿って自由診療・オンライン診療・医師紹介のページを作り、そのうえで「近く」の検索に応えるのが基本です。
2018年6月から、クリニックのホームページも医療法の広告の規制を受けており、2026年4月にはオンライン診療の基準も医療法の省令に入ったからです。
当社ツールで調べると、「病院 近く」の月間推定検索数は132,000回、「皮膚科 近く」「小児科 近く」は各39,600回でした。一方で、「内科」「皮膚科」のような診療科名だけの語は、当社ツールでは推定値が出ませんでした。
今回は内科・皮膚科・小児科など医科の診療所の院長とWeb担当者に向けて、検索のされ方・自由診療のページ・オンライン診療のページ・診療科名と医師紹介の書き方・口コミとGoogleビジネスプロフィールを解説します。
歯科医院については「歯科のSEO対策」で、SEOそのものの基礎は「SEOとは」で解説しています。
この記事でわかること
- 「病院 近く」132,000回、「皮膚科 近く」「小児科 近く」各39,600回などの独自データ。診療科名だけの語は当社ツールで推定値が出ないこと、地域名は街の名前と語順で差が出ること
- 広告文に書ける自由診療の2つの類型、ホームページの限定解除の4要件、未承認薬・適応外使用で足す5項目。GLP-1の痩身目的の処方への厚労省の注意喚起と、処方薬の商品名の扱い
- 2026年4月から医療法施行規則の基準になったオンライン診療について、ホームページで示すこと、対面診療を経ずに処方できない薬、「すぐ届く」「チャットで完結」と書かない理由
- 標榜できる診療科名と「睡眠障害」の追加、団体名を付けた専門医の表示、書けない表現。口コミの依頼と医療法、星の数を条件にした割引への措置命令、返信と守秘義務、ビジネス名
おすすめの読者層
- 内科・皮膚科・小児科など医科の診療所の院長で、自由診療やオンライン診療のページにどこまで書いてよいか迷っている方
- クリニックのホームページ・Googleビジネスプロフィール・リスティング広告を制作・運用するWeb担当者と、SEO・広告の担当者
1. 「近く」や自由診療の語の検索が大きい
当社ツールで推定値が出た語と出ない語
| 語のまとまり | 検索語と月間推定検索数 |
|---|---|
| 「近く」を付けた語 | 病院 近く 132,000/皮膚科 近く 39,600/小児科 近く 39,600/発熱外来 近く 2,880 |
| 健診・予防接種 | 健康診断 160,800/インフルエンザ 予防接種 160,800/人間ドック 108,000/予防接種 32,400 |
| 自由診療 | AGA 240,800/美容皮膚科 88,000/GLP-1 ダイエット 26,480/メディカルダイエット 5,280 |
| 施設の呼び方 | クリニック 294,400 |
| 予約・口コミ | 病院 予約 3,520/病院 口コミ 2,880/皮膚科 予約 1,520/病院 評判 208 |
| 推定値が出ない語 | 内科/皮膚科/小児科/整形外科/心療内科/内科 近く/クリニック 近く/オンライン診療/発熱外来/AGA 治療 など |
※当社ツール「aramakijake.jp」によるGoogleの月間推定検索数(2026年9月27日調べ)。推定値なので、実際の検索回数とは異なる場合があります。
「病院 近く」132,000回は、「皮膚科 近く」「小児科 近く」の各39,600回の約3.3倍です。
一方、「内科」「皮膚科」のような診療科名だけの語や「内科 近く」「オンライン診療」は、当社ツールでは推定値が出ない語です。推定値が出ないことは、検索が少ないという意味ではありません。表から言えるのは、推定値が出た語どうしの大小までというわけです。
Googleは、ローカル検索の順位を関連性・距離・知名度の3つで決めるとしています。当社は、「近く」の検索に向けて、Googleビジネスプロフィールの所在地・診療時間とホームページのアクセスのページを同じ内容にそろえることをおすすめします。
地域名は街の名前と語順で差が出る
地域名を付けた語では、例えば「新宿 内科」が7,920回で、「東京 内科」168回の約47倍でした。
語順で差が大きい例もあります。「福岡 小児科」は576回ですが、「小児科 福岡」は40回でした。「皮膚科 大阪」「皮膚科 名古屋」は各1,920回で、「大阪 皮膚科」「名古屋 皮膚科」は推定値が出ていません。
同じ診療科でも、街の名前と語順で検索数が変わるというわけです。所在地の説明には、都市名だけでなく最寄り駅や街の名前も書いておくとよいと当社は考えています。地域名だけを差し替えたページを増やす必要はありません。
一般診療所の数と診療科目の動き
厚生労働省の医療施設調査によると、一般診療所は、令和5年10月1日現在で104,894施設でした。月ごとの動態調査では、令和8年6月末の概数が105,712施設です。どちらも歯科診療所を含まない数です。
診療科目別(複数の科目を掲げる施設は重複して数える)では、内科を掲げる施設が64,747施設でいちばん多くなっています。
令和2年と比べると、皮膚科は12,410から13,185施設に増え、美容外科は1,404から2,016施設へ43.6%増えました。小児科は18,798から17,778施設に減っています。
ちなみに、医療機関の選び方の根拠としてよく引かれる厚生労働省の受療行動調査は、一般病院の患者が対象です。診療所の患者は対象に入っていないので、クリニックの患者の行動を示すデータとしては使えません。
出典: 厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」統計表1・表6、厚生労働省「医療施設動態調査(令和8年6月末概数)」、厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況」調査の概要、Google「ローカル検索結果のランキングを改善するヒント」
2. 自由診療のページは限定解除の要件で作る
ホームページも医療法の広告の規制を受ける
医療法は、医業や診療所についての「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」を規制しています(6条の5)。
医療広告等ガイドラインは、誘引性・特定性(医師名や診療所名が分かること)・医業に関する内容の3つで広告かどうかを判断するとしています(第2の1-1)。
広告文に書ける自由診療は2つの類型だけ
リスティング広告やバナーの広告文に書ける自由診療は、告示で2つの類型に限られています。保険診療と手技が同じもの(ガイドラインの例は「顔のしみ取り」「イボ、ホクロの除去」)と、承認された医薬品・医療機器を承認の範囲で使うもの(例は「内服の医薬品によるED治療」)です。
どちらも、自由診療である旨と標準的な費用を併記する場合に限られます。ガイドラインは、「AGA 治療薬を取り扱っております」を広告できる例に挙げる一方、「医薬品『○○錠』を処方できます」は広告できない例としています。
リスティング広告のリンク先が自院のホームページなら、そのページは、次の限定解除の要件を満たせば詳しく書けます(Q&A Q1-7、事例解説書p.56)。広告文とリンク先では、書ける範囲が違います。
ホームページは4つの要件で詳しく書ける
限定解除とは、決まった事項しか広告できないという制限を、要件を満たすホームページなどで外す仕組みです(医療法施行規則1条の9の2)。要件は次の4つです。
- ① 患者が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどであること(リスティング広告・バナー広告は当たらない)
- ② 問い合わせ先を書くこと
- ③ 自由診療では、通常必要な治療内容・標準的な費用・治療期間と回数を書くこと
- ④ 自由診療では、主なリスクと副作用を書くこと
未承認薬と適応外使用は5つの項目を足す
未承認の医薬品や、承認された薬を承認と違う目的で使う治療(適応外使用)は、広告できる事項ではありません(ガイドライン第3-1の1(5)、Q&A Q2-14)。ホームページで限定解除するなら、4つの要件に加えて、5つの項目を同じページに書きます。
| ページに書く項目 | 書き方の注意 | 根拠 |
|---|---|---|
| 問い合わせ先 | 電話番号など。予約専用の番号や、返答のないメール窓口は不可 | 規則1条の9の2、Q&A Q6-10 |
| 治療内容 | 複数の治療をまとめず、治療ごとに書く | 同上、事例解説書 |
| 標準的な費用 | 「〇円〜」だけにせず、よくかかる追加費用を含めた幅や総額の目安で書く | 同上、ガイドライン第3-3の2 |
| 治療期間と回数 | 通常必要な期間と回数 | 同上 |
| 主なリスクと副作用 | デメリットを数点挙げるだけで済ませず、主なリスクと副作用を書く。別ページや小さな文字にしない | 同上、Q&A Q6-12 |
| 【未承認・適応外】その旨 | 未承認であること、または承認と違う目的で使うこと | ガイドライン第3-3の2 |
| 【未承認・適応外】入手経路 | 国内の卸から仕入れた承認薬か、医師の個人輸入か。個人輸入なら厚労省の注意喚起のページを案内する | 同上 |
| 【未承認・適応外】国内の承認薬の有無 | 同じ成分・性能の国内承認品があるか | 同上 |
| 【未承認・適応外】海外の安全性の情報 | 主な欧米の国での承認と重大な副作用。情報が足りなければその旨 | 同上 |
| 【未承認・適応外】救済制度の対象外 | 医薬品副作用被害救済制度の対象にならないこと | 同上 |
例えば費用を「〇円〜」とだけ書く表示や、リスクをリンク先のページやごく小さな文字で書く表示は、要件を満たしません。背景と似た色で書くことも認められていません。
GLP-1の痩身目的の処方は厚労省が注意を促している
糖尿病や肥満症の治療薬であるGLP-1受容体作動薬を、痩身目的で処方する自由診療があります。
厚生労働省は、令和8年6月16日の通知で、一部の医療機関で美容や痩身を目的に使われている実態があると指摘しました。適応外使用の安全性・有効性は確認されていないとし、誇大広告の禁止も改めて周知しています。
事例解説書は、「GLP-1製剤が保険適用になりました!」と書いて自由診療の医療ダイエットに誘導する表示を、誇大広告の例に挙げています。自由診療が保険診療になったと誤認させるからです。
この場合、ページには適応外使用であることと上の5項目を書きます。「GLP-1 ダイエット」の語でページを作るなら、効果を並べるのではなく、承認の範囲と費用・リスクを説明するページにするのが当社の考えです。
処方薬の商品名は広告に書かない
医薬品等適正広告基準は、医師の処方で使う医薬品について、一般の人を対象にした広告を禁じています(第4の5(1))。ガイドラインも、医薬品の販売名は広告しないとしています。
ホームページで限定解除すれば、医療法の上では販売名を書ける余地があります(Q&A Q2-15)。ただし、未承認薬の名称の広告は薬機法68条に、承認されていない効能と販売名を結び付けた表示は66条(虚偽・誇大)にも触れえます。どこまで書けるかは、規定だけでは判断できず専門家への確認が要ります。
当社は、ホームページでも薬を成分名(一般的名称)で書くことをおすすめします。ちなみに、Google広告のポリシーも、日本向けの広告で処方薬に関する語を原則として使えないとしています。
キャンペーン価格とモニター割引は慎むべきとされている
ガイドラインは、「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」「○○治療し放題プラン」やモニター価格の割引のように費用を強調する広告を、品位を損ねるものとして「厳に慎むべき」としています。
医療法の明文の禁止事項ではなく、ガイドラインの記載です。ただし、販売実績のない「通常価格」と並べて安く見せる表示は、景品表示法の有利誤認(5条2号)に当たるおそれがあります。
美容を目的とした脱毛・しみ取り・たるみ治療・痩身などを省令の方法(光の照射や薬剤の使用など)で行い、1か月を超え5万円を超えるコース契約は、特定商取引法の特定継続的役務に当たります。書面の交付やクーリング・オフの対象です。
GLP-1による医療ダイエットの継続契約がこれに当たるかは、規定だけでは判断できず専門家への確認が要ります。
出典: 医療法 6条の5、医療法施行規則 1条の9の2、厚生労働省「医療広告等ガイドライン」(令和8年3月30日最終改正)第2・第3、厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」(令和8年3月改定)、厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」、厚生労働省「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について」(令和8年6月16日。横浜市が掲載する写し)、厚生労働省「医薬品等適正広告基準」、医薬品医療機器等法 66条・68条、Google 広告ポリシー「ヘルスケアと医薬品」、景品表示法 5条、特定商取引法施行令 24条・別表第四、同法施行規則 91条

3. オンライン診療のページは2026年4月から医療法の基準に沿う
指針の最低限の事項が省令に入った
2026年4月1日から、オンライン診療は医療法で定義され(2条の2)、医療法施行規則の「オンライン診療基準」(9条の6の2以下)に沿って行うものになりました。これまで「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が示していた最低限守る事項を、省令に引き上げたものです。
厚生労働省の施行通知によると、基準に違反すれば、都道府県知事などが是正命令などを出せるようになりました。指針とそのQ&Aも引き続き参照するよう求められており、指針は見直しが進められています。
勤務する医師がオンライン診療を行う場合は、その旨が診療所の届出事項に加わりました(規則3条・4条)。2026年4月1日にすでに行っている医療機関には、令和9年3月31日までの経過措置があります。
ちなみに、情報通信機器を用いた初診料などの届出をしている医療機関は、令和6年10月1日時点で約12,500でした。これは診療報酬の施設基準の届出数で、オンライン診療を行う医療機関の総数ではありません。
ホームページで示すことが基準に書かれている
オンライン診療基準には、ウェブサイトでの表示に関わる規定が3つあります。
- 初診の前の確認: 確認の結果オンライン診療を行えない可能性があることと、その確認にかかる患者の費用を、ウェブサイトなどで示す(9条の6の9第5項)
- 基準に適合している旨: オンライン診療を基準に沿って行っていることを、ウェブサイトや院内掲示で公表する(9条の6の15第1項)
- 医師の所属: 診療する医師が所属する医療機関と問い合わせ先を明らかにする(9条の6の14第1項)
基準は、オンライン診療を原則として対面診療と組み合わせるものとし、急に症状が変わったときに対面で受診できる体制も求めています(9条の6の3・9条の6の8)。
当社は、オンライン診療のページに、上の3つと対面で受診するときの案内を1か所にまとめて書くことをおすすめします。例えば「確認の結果、対面での受診をお願いする場合があります。その場合の確認の費用は〇円です」と書けば、受診の前に条件が分かるというわけです。
対面診療を経ずに処方できない薬と「すぐ届く」の書き方
オンライン診療では、初診のときと、再診でもその症状について対面診療を経ていないときは、麻薬と向精神薬を処方できません。基礎疾患などが分からない患者には、特に安全上の管理が必要な医薬品の処方と、8日分以上の処方もできません(9条の6の13第3項)。
事例解説書は、「いつでもお電話予約」「すぐに医薬品のお受け取りが可能!」という表示を誇大広告の例にしています。誰でも必ず薬を受け取れるかのような期待を抱かせるからです。
この場合、少なくとも医師の診察が必要であることと、薬の受け取りの説明の近くに「医師の判断によりお薬を処方できない場合があります」を書く必要があります。初診で処方できない薬を扱うなら、その旨も書くことが望ましいとされています。
どの薬が「特に安全上の管理が必要な医薬品」に当たるかは、条文だけでは特定できません。自院で扱う薬が当たるかどうかは、専門家に確認してください。
メールやチャットだけで処方しない
厚生労働省の美容医療に関する通知(令和7年8月15日)は、メールやチャットのやり取りだけで診断や処方をすることを、指針に違反し医師法20条違反となるおそれのある行為としています。指針は、映像と音声をリアルタイムでやり取りする方法を求めています。
なので、「チャットで完結」「診察なしで薬が届く」のような言い方はページに書きません。問い合わせ用のチャットを置くなら、予約や手続きの案内に限ってください。
出典: 医療法 2条の2・14条の3・24条の2、医療法施行規則 3条・4条・9条の6の2〜9条の6の19、厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等について(オンライン診療関係)」(令和8年3月27日。横浜市が掲載する写し)、厚生労働省「適切なオンライン診療の推進について」(中央社会保険医療協議会 総会、2024年10月30日)、厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」、厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」(令和7年8月15日。横浜市が掲載する写し)、医師法 20条
4. 診療科名・専門医・医師紹介の書き方
標榜できる診療科名は政令で決まっている
診療所が掲げられる診療科名は、医療法施行令3条の2で決まっています。内科・外科と、皮膚科・小児科・眼科などの決められた科名を基本に、部位や臓器・患者の性別や年齢・「美容」「心療」などの事項・疾病の名前を組み合わせる形です。
| 書きたい名称 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 美容皮膚科・女性内科・ペインクリニック内科・漢方内科 | 標榜できる | 施行令3条の2、ガイドライン |
| 内科などと「睡眠障害」の組み合わせ | 2026年6月1日から組み合わせられる。具体的な表記は確認が要る | 施行令3条の2(令和8年政令第186号) |
| 糖尿病科・ペインクリニック科・総合診療科 | 診療科名として広告できない。限定解除したホームページでの扱いはQ&Aが総合診療科について示している | ガイドライン、Q&A Q3-4 |
| アンチエイジング(科・クリニック) | 診療科名として認められていない | ガイドライン第2の3 |
| 〇〇専門外来・〇〇外来 | 広告媒体では書けない。限定解除したホームページなら書ける | Q&A Q2-6 |
| 医院名に「〇〇センター」「糖尿病クリニック」を併記 | 書けない。名称は正式名称だけ | ガイドライン第3-1の1(3)、Q&A Q6-5 |
| 麻酔科 | 厚生労働大臣の許可を受けた医師の氏名を併せて書く | 医療法6条の6第4項 |
例えば、「糖尿病外来」とは書けなくても、糖尿病の治療を外来で行う旨は広告できます。ガイドラインは、特定の治療や検査を外来で行う旨の例に「糖尿病」「花粉症」「乳腺検査」を挙げています。
麻酔科の許可医の氏名を併せて書かない広告は、虚偽広告と同じく、直接の罰則の対象です(6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)。それ以外の違反は、報告命令や中止・是正命令の対象で、命令に違反すると罰則があります(医療法6条の8第2項・87条3号)。
専門医は団体名と資格名で書く
専門医の資格は、「日本専門医機構認定〇〇専門医」「〇〇学会認定〇〇専門医」のように、認定した団体の名前を付けて書きます(ガイドライン第3-2の4(9)イ)。団体名のない「〇〇専門医」は誇大、「厚生労働省認定」は虚偽とされています。
機構の認定を広告する医師は、同じ基本領域の学会の専門医を並べて書くことはできません(Q&A Q3-5。経過措置あり)。
広告できる学会の資格は、厚生労働省が一覧で示しています。認定医・指導医や、届出のない団体の資格は、限定解除したホームページでだけ書けます(Q&A Q3-5)。
略歴と研修歴は書ける媒体が違う
医師の顔写真・氏名・年齢・役職・略歴は広告できます。略歴に入るのは、生年月日・出身校・学位・免許取得日・勤務した医療機関などです。
一方、「〇〇大学病院で研修」のような研修歴は、広告媒体では書けず、限定解除したホームページなら書けます(Q&A Q2-20)。学会の会員であることは、原則として広告できないとされています(Q3-15)。学会の現任の役員であることは、学会のサイトなどで役員名簿が公開されていれば書けます。
「テレビで紹介」のようにメディアに出た旨も、限定解除したホームページでだけ書けます。
「No.1」や満足度の数字は書けない
限定解除したホームページでも、次の表示は書けないか、条件が付きます。
- 比較優良: 「No.1」「地域一番」「最高」「最良」「最上」は、事実であっても書けない(ガイドライン第3-1の1(2)、Q&A Q2-3)
- 誇大: 「最先端」「最適」は書けない(Q&A Q2-2)。「最新の機器」は、事実で根拠を示せる場合に限る(Q2-1)
- 満足度: 患者満足度調査の結果そのものは書けない。調査を行っていることは書ける(ガイドライン第3-2の4(14)ケ)
- 改善率・治癒率: 広告できる事項ではなく、限定解除したホームページでも客観的な根拠が要る(Q&A Q2-16・Q2-17)
- 体験談: 患者の体験談は、限定解除したホームページでも載せられない(医療法施行規則1条の9第1号)
- ビフォーアフター写真: 限定解除したホームページで、写真ごとに治療内容・費用・期間と回数・リスクと副作用を付けた場合に限る(同条第2号)
症例の写真を載せるなら、掲載する目的を示して、患者本人の同意を得ます。医療・介護関係事業者向けのガイダンスは、広告やホームページへの掲載を、通常の業務で想定される利用目的に挙げていません。
厚生労働省のネットパトロール事業では、令和5年度に、美容・歯科・がん以外の区分(内科・整形外科・産婦人科など)で294サイト・1,135件の違反が確認されました。
医療情報ネットの報告内容とそろえる
病院・診療所には、医療機能情報提供制度にもとづいて、診療科目や診療時間などの情報を都道府県知事に報告する義務があります。2024年4月からは、全国統一の「医療情報ネット(ナビイ)」で公開されています。
これは検索順位のための施策ではなく、制度上の報告です。ただ、診療時間がナビイ・ホームページ・Googleビジネスプロフィールで食い違うと、どれが正しいのか分からなくなります。変更したときは、3か所を同じ時期に直してください。
出典: 医療法施行令 3条の2、厚生労働省「広告可能な診療科名の改正について」(令和8年5月29日。横浜市が掲載する写し)、医療法 6条の6・6条の8・87条、医療法施行規則 1条の9、厚生労働省「医療広告等ガイドライン」(令和8年3月30日最終改正)、厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」(令和8年3月改定)、厚生労働省「医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について」、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(令和8年4月一部改正)、厚生労働省「ネットパトロール事業について(令和5年度)」、厚生労働省「医療機能情報提供制度について」

5. 口コミとGoogleビジネスプロフィール
良い口コミを頼むと医療法上の広告になる
厚生労働省のQ&Aは、医療機関が肯定的な体験談の投稿を依頼した場合、謝礼の有無にかかわらず誘引性が生じ、その体験談は掲載できない広告になるとしています(Q1-18)。患者が自分の意思で投稿した体験談は、原則として広告に当たりません。
Q&Aの回答は、医療機関を検索できるウェブサイトについてのもので、Googleマップにそのまま当てはまるかは規定だけでは判断できません。評価を指定しない「よろしければご感想を」という依頼の扱いも、専門家への確認が要ります。
当社は、口コミの依頼を集患の施策にせず、患者が自分の意思で投稿した口コミに返信で応えることをおすすめします。自院のホームページに口コミを転載したり埋め込んだりすると、治療の内容や効果に触れた口コミは、省令が禁じる体験談の広告に当たります(医療法施行規則1条の9第1号)。
Googleのポリシーが禁じている依頼の仕方
Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーは、口コミについて次のことを禁じています。
- 見返り: 投稿や否定的な口コミの修正・削除と引き換えに、割引・無料のサービス・金銭などを提供する
- 選別: 肯定的な口コミだけを選んで募る、否定的な口コミの投稿を妨げる
- その場での投稿: その場で評価や口コミを書くよう要求・強要する
- スタッフへのノルマ: 一定数の口コミを集めるようスタッフに求める
スタッフや家族による投稿も、利益相反のコンテンツとして禁止されています。例えば、会計のときにQRコードのカードを渡して、その場で投稿を求める運用はこのポリシーが禁じる形です。
星の数を条件にした割引には措置命令が出た
2024年6月、インフルエンザワクチンの接種費用を、Googleマップに星5か星4を投稿することを条件に割り引いていた内科クリニックに、消費者庁が措置命令を出しました。投稿された口コミが、景品表示法のステルスマーケティング告示に当たるとされた事例です。
ステマ告示が問題にするのは、事業者が投稿の内容の決定に関わる場合です。この事例では、星の数を割引の条件にしたことで、クリニックが評価の内容に関わっていました。
一方、消費者庁の運用基準は、謝礼として割引クーポンを配っても投稿の内容に一切関わらなければ、事業者の表示に当たらない例を示しています。口コミへの割引をやめる根拠は、Googleのポリシーで、医療機関にはさらにQ&AのQ1-18があります。
返信で受診の事実や病状に触れない
医師が業務で知った秘密を正当な理由なく漏らすと、刑法134条により、6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。病歴は個人情報保護法の要配慮個人情報です(2条3項)。
個人データを本人の同意なく第三者に提供することは原則として禁止され、要配慮個人情報は本人が拒否できる仕組み(オプトアウト)による提供もできません(27条)。
口コミへの返信の公開がこれらに当たるかは、規定だけでは判断できず、専門家への確認が要ります。ただ、返信では受診したかどうか・症状・治療内容に触れず、お礼と「個別の件は電話や窓口で伺います」という案内にとどめてください。
投稿者が自分で病状を書いていても、診療所の側から認めたり補足したりしないでください。否定的な口コミの削除を依頼するのは、ポリシー違反や名誉毀損などに当たるものに限ってください。
ビジネス名は正式な医院名だけにする
Googleのガイドラインは、ビジネス名に実際に使っている名称を使うとし、サービスや所在地の情報を足すことを禁じています。例えば、「〇〇クリニック 皮膚科・美容皮膚科 渋谷駅徒歩1分」とは登録できません。医療法でも、広告できる名称は正式名称だけです(Q&A Q6-5)。
カテゴリは、実際に標榜している診療科に合うものを選ぶのがよいと当社は考えています。規制対象の医薬品などは商品欄に載せられないので、自由診療の薬を商品として登録しないでください。
ビジネスプロフィールの説明文や投稿は、医院自身の表示なので、当社は医療広告の規制がかかる前提で扱うべきだと考えています。限定解除の媒体に当たるかは規定だけでは判断できないので、広告できる事項の範囲で書いてください。
医師個人のプロフィールは医師の人数で作り方が変わる
Googleは、医師を「個人専門家」に含め、医師個人のビジネスプロフィールを認めています。ただし、1人の医師が専門分野ごとに複数のプロフィールを作ることはできません。
- 院長1人が診療する診療所: 「クリニック名:医師名」の形で、1つのプロフィールにまとめることをGoogleは推奨している
- 複数の医師がいる診療所: クリニックのプロフィールとは別に、医師ごとに作れる。医師のプロフィールにはクリニック名を入れない
受付などのスタッフは、個人のプロフィールを作れません。診療科ごとにプロフィールを分けることは、医療法の正式名称のルールとの関係が整理されていないので、当社は作らない前提で考えています。
出典: 厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」(令和8年3月改定)Q1-18・Q6-5、Google「マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー」、消費者庁「景品表示法に基づく措置命令について」(令和6年6月7日公表)、内閣府告示第19号(令和5年3月28日)、消費者庁 ステルスマーケティング告示の運用基準 第2、刑法 134条、個人情報の保護に関する法律 2条・27条、Google「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」
6. まとめ
クリニックのSEOは、ページを増やす前に、自由診療・オンライン診療・医師紹介・口コミの扱いを医療法とガイドラインに合わせる作業です。公開前に確認するのは次の5つです。
- 検索と所在地: 「近く」の検索に向けて、ホームページとGoogleビジネスプロフィールの所在地・診療時間がそろっているか。最寄り駅や街の名前を書いたか
- 自由診療のページ: 治療内容・費用・期間と回数・リスクと副作用を治療ごとに書いたか。適応外使用の5項目があるか。薬の販売名やキャンペーン価格がないか
- オンライン診療のページ: 行えない可能性と費用、基準に適合している旨、医師の所属を書いたか。「すぐ届く」「チャットで完結」がないか
- 診療科名と医師紹介: 標榜できる診療科名だけか。専門医に団体名があるか。「No.1」・満足度の結果・体験談がないか
- 口コミとプロフィール: 見返り・選別・その場での投稿の要求がないか。返信で受診の事実に触れていないか。ビジネス名は正式名称だけか
本文で「規定だけでは判断できない」とした点は、専門家や開設の届出先の自治体に確認してから公開してください。
他の業種のガイドは「業種別SEO対策ガイド」でまとめています。
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
検索順位が上がらない理由は、SEO対策の質が低いからです。
例えば、ユーザーの検索意図を無視したり、関連性の低いコンテンツを増やす、内部リンクの最適化など疎かにします。
この場合、SEO対策の質が下がります。
そうなれば、ページやサイト自体の品質が上がらないので、Googleに評価されづらくなります。
結果、検索順位が上がらないというわけです。
こうした悪い状況を回避する為に、サイトの欠点を調査して上位化に必要な対策をご案内します(無料)。
検索順位を上げたり、検索流入を増やすにはSEOが重要!


