行政書士のSEO対策|手続き別ページと業務範囲・報酬額表示の書き方
行政書士事務所のホームページを作ったのに、許可申請の問い合わせが増えない。「許可取得率」や「不許可なら返金」を載せてよいのか、司法書士や社労士の業務をどこまで書いてよいのかも分からない。そう悩んでいる行政書士の方や事務所のWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、行政書士のSEO対策は建設業許可や在留資格といった手続きの名前ごとにページを作り、その中身を行政書士の業務範囲に合わせるのが基本です。料金ページは、事務所に掲示している報酬額表とそろえます。
当社ツールで調べると、「車庫証明」の月間推定検索数は72,400回、「建設業許可」は39,600回でした。一方で、「建設業許可 行政書士」は384回です。手続きの名前だけの検索が、「行政書士」を付けた検索より大きいというのが、この数字から言える範囲です。
今回は行政書士事務所の代表とWeb担当者に向けて、手続きの名前の検索・2026年1月施行の法改正と他の士業との業務範囲・手続き別ページの書き方・報酬額の掲示と料金ページ・事務所とGoogleビジネスプロフィールと口コミの扱いを解説します。
士業に共通する考え方は「士業のSEO対策」で、SEOそのものの基礎は「SEOとは」で解説しています。
この記事でわかること
- 建設業許可・車庫証明・在留資格など手続きの名前の検索と「行政書士」を付けた検索の差(当社調べ)、地域名の検索の大きさ、「行政書士 司法書士 違い」14,480回と、許可や在留の統計の使い方
- 2026年1月施行の改正行政書士法19条1項(いかなる名目によるかを問わず)と新しい条番号、登記・税務・雇用関係の助成金・特許庁の手続き・争いのある事件など他の士業との業務範囲の境界
- 建設業許可・古物商許可・農地転用のページの書き方、在留資格の申請取次の届出と不法就労助長罪、補助金は本人申請を前提にした「申請書類の作成支援」と書く理由
- 報酬額の事務所掲示義務と料金ページの一致、報酬と実費の分け方、報酬額統計を相場と書かないこと、取得率・返金・最安の表示、事務所1か所とGoogleビジネスプロフィール・口コミ
おすすめの読者層
- 行政書士事務所・行政書士法人の代表で、建設業許可・在留資格・補助金などの手続きのページや料金ページを作り直したい方、他の士業の業務をどこまで書いてよいか迷っている方
- 行政書士事務所のサイト・料金ページ・Googleビジネスプロフィールを制作・運用するWeb担当者と、SEO・広告の担当者
1. 検索の入口は手続きの名前
手続きの名前の検索は「行政書士」を付けた検索より大きい
| 手続きの名前 | 月間推定検索数 | 「行政書士」を付けた検索 | 月間推定検索数 |
|---|---|---|---|
| 車庫証明 | 72,400 | 車庫証明 行政書士 | 576 |
| 建設業許可 | 39,600 | 建設業許可 行政書士 | 384 |
| 古物商許可 | 21,680 | 古物商許可 行政書士 | 208 |
| 在留資格 | 17,760 | 在留資格 行政書士 | 384 |
| 農地転用 | 6,480 | 農地転用 行政書士 | 384 |
| 帰化申請 | 4,320 | 帰化 行政書士 | 168 |
※当社ツール「aramakijake.jp」によるGoogleの月間推定検索数(2026年9月26日調べ)。推定値なので、実際の検索回数とは異なる場合があります。
「車庫証明」72,400回は「車庫証明 行政書士」576回の100倍を超え、「建設業許可」は「建設業許可 行政書士」の約100倍です。表の6組では、どれも手続きの名前だけの検索が10倍以上大きいというわけです。
表の範囲では、手続きの名前に「行政書士」を付けた検索は数百回にとどまります。名前だけの検索が誰の検索なのかは、検索数からは分かりません。
手続きの名前を見出しにしたページを作り、許可の要件や必要書類と一緒に、事務所が引き受ける範囲を書くのが当社の考えです(書き方は第3章)。
ちなみに、「行政書士」1語は160,800回です。資格試験を調べる検索も含みうる語で、事務所を探す検索の数としては読めません。
地域名を付けた検索は数百回
地域名と「行政書士」の組み合わせは、6都市を両方の語順で調べました。大きいのは「大阪 行政書士」「行政書士 大阪」の各576回で、「東京 行政書士」は472回、「行政書士 名古屋」は312回です。「行政書士 近く」は136回でした。
調べた範囲では、地域名を付けた検索も手続きの名前の検索より小さいというわけです。地域名だけのページを増やすより、手続きのページに事務所の所在地と対応できる地域を書くほうが役に立つと当社は考えています。
許可や在留の統計は出典どおりに使う
行政書士が扱う手続きには、規模を示す公的な統計があります。建設業許可業者数は令和7年度末で483,823業者で、3年連続で増えました(国土交通省)。在留外国人数は令和7年末で412万5,395人で、過去最高です(出入国在留管理庁)。
古物商と古物市場主の許可件数は、令和7年末で61万5,194件です(警察庁)。
これらは許可や在留の数で、行政書士への依頼の数ではありません。どれも本人が申請できる手続きで、「業者が増えたから依頼も増える」とは言えません。サイトで引くときも、時点と出典を添え、制度の規模の説明にとどめてください。
出典: 国土交通省「令和7年度末の建設業許可業者数調査の結果」(令和8年5月15日)、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」、警察庁「令和7年中における古物営業、質屋営業の概況」
2. 2026年の法改正と他の士業との業務範囲
19条1項に「いかなる名目によるかを問わず」が入った
2026年1月1日に、改正行政書士法(令和7年法律第65号)が施行されました。19条1項は「行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない」という条文になりました。
総務省の通知によれば、この改正は従来の解釈を条文に明示したものです。その解釈とは、「手数料」や「コンサルタント料」などどんな名目でも、対価を受け取って業として官公署に提出する書類を作ることは違法だというもので、新しく禁止した行為ではありません。
違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(21条の2)。従業者が19条1項に違反したときに、雇っている法人や個人事業主も罰金の対象になる両罰規定(23条の3)も、この違反に適用されるようになりました。
サイトで気をつけるのは、行政書士でない会社と組むときの書き方です。例えば、提携するコンサル会社や人材会社のサイトに「申請書類の作成まで対応」とあれば、その会社が書類を作っているように読めます。日行連の会則も、19条に違反する行為が行われないよう努めることを会員に求めています(62条2項)。
業務の条文の番号が変わった
改正で条番号もずれ、書類の作成は旧1条の2から新1条の3に移りました。提出手続の代理や書類の作成についての相談は、旧1条の3から新1条の4です。新しい1条の2は、行政書士の職責の規定です。
業務案内や「行政書士とは」のコラムに条番号を書いているなら、新しい番号に直します。
同じ改正で、特定行政書士が不服申立てを代理できる範囲も広がりました。行政書士が「作成した」書類に係る許認可等から、「作成することができる」書類に係る許認可等に変わっています。本人が自分で申請して不許可になった案件も、代理できる対象に入りました。
出典: 行政書士法 1条の2〜1条の4・19条・21条の2・23条の3、総務省「行政書士法の一部を改正する法律の公布について(通知)」(総行行第281号、令和7年6月13日)、総務省「行政書士法の一部を改正する法律」新旧対照表、日本行政書士会連合会「関係法令・会則・規則」(日行連会則)
他の士業の業務は「対応可能」と書かない
行政書士は、書類の作成であっても、他の法律で制限されている業務はできません(1条の3第2項)。提出手続の代理や相談も同じです(1条の4第1項ただし書)。業務案内で境界になりやすいのは、次の5つです。
| 業務 | 担当する士業と根拠 | 行政書士のサイトで書ける範囲 |
|---|---|---|
| 登記・供託、法務局や裁判所に出す書類 | 司法書士(司法書士法3条・73条)。登記の代理は弁護士もできる | 遺産分割協議書・相続関係説明図・定款の作成まで。「相続登記もお任せ」「設立登記まで一括」とは書かない。農地転用のあとの地目変更登記は土地家屋調査士の業務で、「登記まで一括」とは書かない |
| 税務書類の作成と税務相談 | 税理士(税理士法2条・52条) | 自動車税・軽自動車税・不動産取得税など、税理士法51条の2と施行令14条の2で決まった税目の書類だけ。相続税の申告や試算は書かない |
| 労働社会保険の申請書・就業規則・雇用関係の助成金 | 社労士(社労士法2条・27条) | 外国人雇用に伴う在留資格の書類や、建設業許可などの営業の許可。雇用関係の助成金(雇用保険法などに基づくもの)を業務一覧に並べない。自治体の助成金は根拠の法令・要綱で判断する |
| 特許・商標などの特許庁への手続 | 弁理士(弁理士法4条・75条) | 「商標登録も当事務所で」とは書かない |
| 争いのある事件の交渉や代理、「法律相談」の標示 | 弁護士(弁護士法72条・74条) | 争いのない案件の書類の作成と、書類の作成についての相談(1条の4第1項4号) |
相続のページには「相続人全員の合意がある場合」と条件を書きます。争いがあれば弁護士、登記は司法書士、相続税は税理士が直接受任する業務だと明記してください。
他の士業を紹介すること自体は禁止されていませんが、紹介の対価を報酬に上乗せすることと、紹介の対価を要求することは禁止です(職務基本規則15条3項・4項)。「ワンストップ」と書くなら、連携先の士業が依頼者と直接契約する形であることを添えます。
弁護士でない者は、利益を得る目的で法律相談を取り扱う旨を標示できません(弁護士法74条2項)。この場合、行政書士の相談は「許可申請の無料相談」のように何の相談かを書きます。「街の法律家」のような表現がこの規定との関係でどう評価されるかは規定だけでは判断できず、専門家への確認が要ります。
「行政書士 司法書士 違い」は14,480回
「行政書士 司法書士 違い」は14,480回で、「行政書士 弁護士 違い」472回の約30倍でした。違いを調べる検索がこれだけあるので、事務所のサイトにも業務範囲の境界を説明するページを置く価値があると当社は考えています。
このページで「登記ができる唯一の士業は司法書士」と書くのは誤りです。登記の代理は弁護士もできます(司法書士法73条1項ただし書、弁護士法3条)。正しくは「権利の登記は司法書士の業務で弁護士も代理でき、地目変更などの表示の登記は土地家屋調査士の業務。行政書士はどちらもできない」という説明になります。
当社は、違いを説明するページを上の表と同じ内容にし、他の士業との料金の比較や優劣の話を入れないことをおすすめします。他の行政書士などを誹謗中傷することは、職務基本規則20条で禁じられています。
出典: 行政書士法 1条の3・1条の4、司法書士法 3条・73条、土地家屋調査士法 3条、弁護士法 3条・72条・74条、税理士法 2条・51条の2・52条、税理士法施行令 14条の2、社会保険労務士法 2条・27条、弁理士法 4条・75条、日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」15条・20条

3. 手続き別ページの書き方
許可の種類ごとに許可を出す行政庁と事務所の範囲を書く
建設業許可・古物商許可・農地転用は、許可を出す行政庁が違います。建設業許可は営業所の置き方によって国土交通大臣か都道府県知事(建設業法3条)、古物商許可は都道府県公安委員会(古物営業法3条)、農地転用は都道府県知事等です(農地法4条・5条)。
手続きのページには、許可の要件・必要書類・申請先と、事務所が引き受ける範囲を書きます。範囲は、書類の作成・提出手続の代理・書類の作成についての相談のうち、どれを引き受けるかです。
許可を出すかどうかは行政庁が判断します。「よくある不許可の理由」を解説するのは構いませんが、「この対策をすれば許可されます」とは書かないでください。
福岡県知事は令和6年6月6日、根拠のない「建設業許可基準適合証明書」を交付して誤認させた行政書士を戒告しました(個人と法人)。行政庁の判断より先に、基準を満たすと示す書面や表示を出さないでください。
出典: 建設業法 3条、古物営業法 3条、農地法 4条・5条、日本行政書士会連合会「綱紀事案の公表」、総務省「行政書士に対する処分の状況」(令和6年度)
在留資格のページは申請取次の届出を書く
在留資格の申請は、地方出入国在留管理局への本人の出頭が原則です。例外として申請を取り次げるのは、所属する行政書士会を経由して地方出入国在留管理局長に届け出た行政書士などに限られます(入管法施行規則6条の2第4項ほか)。
届出をしていない行政書士も書類の作成はできますが、取次ぎはできません。「入管に代わりに行きます」と書けるのは届出をした申請取次行政書士なので、プロフィールに届出済みであることを書きます。
当社は、在留資格のページでは「ビザ申請代行」ではなく「申請取次」と正確に書くことをおすすめします。「代行」の語は、提出手続の代理と取次ぎの区別をあいまいにするからです。
職務基本規則61条は、申請取次行政書士に、虚偽の資料の提出と虚偽の説明を禁じています。申請人や入管法上の代理人から直接ではなく、第三者を介して受けた依頼の取次ぎも禁止です。
人材会社や登録支援機関からの依頼を集客の入口にするなら、どこまでが直接の依頼に当たるかを、所属の行政書士会に確認してください。
検索では「就労ビザ」7,920回、「配偶者ビザ」2,880回、「永住申請」1,920回でした。「ビザ」は通称で、法令上は例えば「技術・人文知識・国際業務」「日本人の配偶者等」といった在留資格の名前と、永住許可です。見出しに検索で使われる語を置き、本文で正式な名前を示すのが当社の考えです。
出典: 出入国管理及び難民認定法施行規則 6条の2・19条、出入国在留管理庁「申請等取次制度」、同「申請等取次者としての承認手続」、日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」61条
「ビザ100%取得」と不法就労につながる表現は載せない
在留資格の許可を判断するのは出入国在留管理庁です。「ビザ100%取得」「必ず許可」は、職務基本規則17条が禁じる事実に合致しない広告や誤認のおそれのある広告、誇大な広告に当たりえます。
企業向けの外国人雇用のページは、入管法73条の2(不法就労助長罪)を前提に書きます。事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者などは、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金、またはその両方の対象です(2027年4月1日からは5年以下・500万円以下に引き上げられます)。
在留資格に応じた活動でないことなどを知らなかったとしても、過失がない場合を除いて処罰を免れません(73条の2第2項)。
例えば、「許可が下りるまでの間も働けます」「在留資格に関係なく採用できる方法」「実態と違う職務内容で申請する書き方」は、読者を不法就労や虚偽の申請に導く表現です。行政書士にとっても、違法な行為の助長を禁じる職務基本規則14条と、61条の問題になります。
企業向けのページで書くのは、在留カードの確認・在留資格に応じた業務内容・資格外活動許可の範囲です。ちなみに、在留資格のサポートをGoogle広告で出すなら、「政府発行書類と行政サービス」の広告の制限に当たるかを事前に確かめてください。
出典: 出入国管理及び難民認定法 73条の2、日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」14条・17条・61条、Google 広告ポリシー「その他の制限付きビジネス」
補助金のページは「申請書類の作成支援」と書く
補助金の申請書は官公署に提出する書類で、報酬を得て作れるのは行政書士です。総務省はグレーゾーン解消制度の回答(令和7年10月10日)で、これらの書類を作れるのは顧客本人か行政書士・行政書士法人に限られることを案内するよう求めています。
一方で、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金の事務局は、本人による申請を求めています。代理申請の扱いは、補助金ごとの公募要領で確かめてください。
事業再構築補助金事務局は「事業計画書を事業者自身にて作成、申請していただく必要があります」とし、代理申請は採択取消や交付決定取消になりうると告知しました(2023年9月21日)。
小規模事業者持続化補助金も、申請者本人以外が実質的な申請行為を行うことや、GビズIDを他者に共有して手続きを行わせることを不正の例に挙げています。
事業再構築補助金事務局は2021年8月26日にも、サービスの内容とかい離した高額な成功報酬を請求する業者に注意するよう呼びかけました。
当社は、行政書士であっても「申請代行」「成功報酬〇%」を打ち出さず、事業者本人が申請する前提で「申請書類の作成支援」と書くことをおすすめします。代理申請による採択取消の不利益は、依頼者が負うからです。
検索では「補助金 代行」が256回、「補助金 申請 行政書士」が56回でした。「代行」を含む語のほうが大きい数字ですが、見出しに「代行」を使う理由にはならないと当社は考えています。
虚偽の資料での申請と、申請内容についての虚偽の説明は、職務基本規則69条で禁じられています。「必ず採択」「採択率〇%」も、採択を決めるのは審査なので、17条に触れうる表示です。
出典: 総務省 グレーゾーン解消制度に基づく回答(令和7年10月10日)、事業再構築補助金事務局「お知らせ」(2021年8月26日・2023年9月21日)、小規模事業者持続化補助金「持続化補助金は不正を絶対に許しません」、日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」17条・69条
4. 報酬額の掲示と料金ページ
報酬額は事務所に掲示する義務がある
行政書士は、事務所の見やすい場所に、業務に関して受ける報酬の額を掲示しなければなりません(行政書士法10条の2第1項)。掲示の様式は、日行連が定める表に準じます(施行規則3条)。
インターネットでの報酬の公表は、職務基本規則24条2項の努力義務です。料金ページを作るなら、事務所に掲示している報酬額表と同じ金額・同じ業務の区分にしてください。掲示とサイトの金額が違えば、どちらかが事実に合致しない表示になりえます。
報酬については、適正な額を明示して十分に説明することと、社会通念上合理的な計算根拠で報酬を決めることも求められています(34条1項・4項)。
報酬と実費と追加の条件を分けて書く
許可申請の費用には、事務所の報酬のほかに申請手数料や登録免許税、証明書の取得費といった実費がかかります。料金ページでは、報酬・実費・追加の報酬が生じる条件を分けて書きます。
例えば、「建設業許可 新規 〇〇円〜」だけの表示では、どの条件でその金額になり、実費がいくらかかるのかが分かりません。消費者庁の価格表示ガイドラインは、関連する役務の対価を別に請求するのにその旨を示さず価格だけを表示することを、不当表示のおそれがある例に挙げています。
景品表示法が対象にするのは一般消費者に誤認される表示なので、相続や個人の在留資格のページには当てはまります。建設業許可のように事業者だけを相手にする表示に当てはまるかは、専門家に確認が要る点です。この場合も、職務基本規則17条は事業者向けのページにかかります。
日行連の報酬額統計を「相場」と書かない
日行連は5年ごとに報酬額の統計を公表していて、直近は令和7年度の報酬額統計調査(令和8年1月実施)です。例えば、建設業許可の新規申請(法人・知事許可)は、平均151,341円、最頻値165,000円でした。
ただし日行連自身が、同じ業務でも取扱いの内容によって大きな差が生じると注記しています。統計を引くなら調査年と「平均」「最頻値」を書き、「相場」「一般的な料金」とは書きません。
「一般的な相場は〇〇円ですが当事務所は〇〇円」という比較も、根拠のない相場との比較になるので載せないでください。
出典: 行政書士法 10条の2、行政書士法施行規則 3条、日本行政書士会連合会「報酬額の統計」(令和7年度報酬額統計調査)、消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」第3、景品表示法 5条
取得率と結果の保証は書かない
職務基本規則17条は、ホームページやSNSを含む広告宣伝で、品位を損なうおそれのある広告・事実に合致しない広告・誤認や誤導のおそれのある広告・誇大な広告を禁じています。許可の判断は官公署がするので、結果に触れる表現はこの規定にかかりやすくなります。
| 表現 | 関係する規定 | 書くなら |
|---|---|---|
| 許可取得率99% | 17条2項・3項。個人向けのページは景品表示法7条2項(根拠資料の提出)も | 母数・期間・不許可や取下げの扱いを添える。示せなければ書かない |
| 必ず許可・不許可はありません | 17条3項・4項 | 書かない |
| 不許可なら全額返金 | 17条2項・3項 | 着手金や実費を返さないなら「全額」と書かない。返金の範囲と条件を同じ場所に書く。返金保証を打ち出すこと自体は所属会に確認する |
| 業界最安・弁護士より安い | 17条3項・20条・34条3項 | 書かない |
| 〇〇専門 | 明文の禁止はないが17条2項・3項 | 取扱実績など、証明できる事実の範囲で書く |
| 地域No.1・件数トップ | 17条2項・3項。個人向けのページは景品表示法5条1号・7条2項も | 比較の範囲と調査方法を示せる客観的な調査がなければ書かない。自社の取扱実績だけでは裏付けにならない |
| 初回相談無料 | 表示と実態が違えば17条2項 | 時間・回数・対象を書き、実際に無料にする |
個人の依頼者との契約には、消費者契約法がかかります。ただし、「必ず許可」という説明が断定的判断の提供(4条1項2号)に当たるかは、規定だけでは判断できません。
消費者庁の逐条解説は、この規定の対象を財産上の利得に影響する事項としています。「有名校に合格できる」を当たらないとした裁判例も紹介しているので、専門家への確認が要ります。
実績の件数も、期間と数え方を添えて、証明できる数だけを書きます。事例や許可証の画像は依頼者の同意が前提で(守秘義務・法12条)、同意があっても許可が簡単に取れると受け取られる書き方にしないでください。
安さの打ち出しと紹介料には規定がある
職務基本規則34条3項は、不当に廉価な報酬での受任を禁じています。15条2項は金品の提供などによる依頼の誘致を、15条3項・4項は紹介の対価の上乗せと要求を禁じています。
安さを軸にしたページや、「ご紹介で〇円還元」のような案内は、これらの規定に触れうる作りです。期間限定の割引や紹介割引がどこまで許されるかは、規定だけでは判断できないので、所属の行政書士会か専門家に確認してください。
特定商取引法の通信販売の表示はかからない
行政書士が行う1条の3第1項・1条の4第1項の業務と行政書士法人の業務は、特定商取引法の訪問販売・通信販売などの規定から除かれています(26条1項8号ニ、施行令別表第二15号)。Webで依頼を受けても、通信販売の表示や最終確認画面の義務はかかりません。
ただし、申請マニュアルの販売やオンライン講座のように、行政書士の業務でない商品は別です。この場合、通信販売の規定がかかるかを専門家に確認してください。
出典: 日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」15条・17条・20条・24条・34条、景品表示法 7条、消費者契約法 2条・4条、消費者庁「消費者契約法 逐条解説」第4条、消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(令和6年9月26日)第3、特定商取引に関する法律 26条、同法施行令 別表第二

5. 事務所・Googleビジネスプロフィール・口コミ
個人の事務所は登録した1か所だけ
行政書士は、事務所を2か所以上設けられません(行政書士法8条2項)。事務所の名称と所在地は登録事項で、変わったら遅滞なく変更の登録をします(6条の4)。行政書士法人は従たる事務所を置けますが、各事務所に社員を常駐させる必要があります(13条の14)。
登録地に事務所の実体がないことで、都道府県知事の懲戒を受けた例があります。大阪府知事は令和8年4月13日と7月3日に、登録地に事務所を設けていなかった行政書士をそれぞれ戒告しました。
サイトの住所・電話番号・地図は、登録した事務所の1か所にします。例えば別の住所に「〇〇駅前相談室」を載せれば、2か所目の事務所に見えるおそれがあります。
出典: 行政書士法 6条の4・8条・13条の14、日本行政書士会連合会「綱紀事案の公表」
Googleビジネスプロフィールは登録名と事務所の住所で作る
地図の枠に出る事務所の情報源は、Googleビジネスプロフィールです(「ローカルSEOとは」)。Googleのガイドラインは、ビジネス名を、店舗やウェブサイト・ビジネスレターで一貫して使っている実際の名称にするよう求めています。
例えば「〇〇行政書士事務所|建設業許可 大阪」のように業務名や地名を足すことはできず、名簿に登録した事務所名と同じにします。
郵送先を借りているだけのバーチャルオフィスでは、プロフィールを作れません。住所を表示するには、その住所にビジネスの名称の掲示を常設する必要があります。行政書士には事務所の表札を掲示する義務があるので(施行規則2条の14)、登録した事務所なら満たしている条件です。
Googleは、個人の専門家が専門分野ごとに複数のプロフィールを作ることを認めていません。例示に行政書士の名前はありませんが、「相続」「ビザ」でプロフィールを分けず、1つにまとめるのが当社の考えです。
出典: Google「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」、行政書士法施行規則 2条の14
地域ページは対応エリアの説明にとどめる
例えば「〇〇市 建設業許可」「△△市 建設業許可」のように、市区町村名だけを差し替えたページを並べる作り方があります。Googleのスパムポリシーは、特定の地域や都市を対象にしたページを複数持ち、1つのページに誘導することを「誘導ページ」の例に挙げています。
生成AIなどで価値を加えずに大量のページを作ることも、「大量生成されたコンテンツの不正使用」です。許可の種類と市区町村の組み合わせでページを機械的に増やす作り方は、この両方に触れうるというわけです。
当社は、手続きのページに事務所の所在地と対応できる地域を書き、地域ごとに住所や地図を置かないことをおすすめします。在留資格の取次ぎを「全国対応」と書く前には、管轄の扱いを出入国在留管理庁の案内で確かめてください。
出典: Google 検索セントラル「ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
口コミは見返りなしで依頼し返信で案件に触れない
Googleのポリシーは、口コミの投稿や否定的な口コミの修正・削除と引き換えに、割引・無料のサービス・金銭などを提供することを禁じています。肯定的な口コミだけを選んで募ることも禁止です。
行政書士には、金品の提供などによる依頼の誘致を禁じる職務基本規則15条2項もあります。例えば、「口コミを書いた方は次回の報酬を割引」はGoogleのポリシーに反し、この規定にも触れうる形です。
景品表示法のステルスマーケティング告示が問題にするのは、「星5なら割引」のように、事業者が投稿の内容の決定に関与する場合です(運用基準 第2の1(2)ア)。事務所の職員や家族が依頼者を装って投稿すれば、Googleが禁じる利益相反の投稿にもなります。
顧問契約を結んでいる依頼者の口コミがGoogleの「利益相反」に当たるかはポリシーの文言からは判断できず、依頼する前に確認が要ります。
返信では、行政書士でなくなった後も続く守秘義務(法12条)に気をつけます。投稿者が自分で書いた内容でも、返信で依頼の有無や案件の中身を認めたり補足したりせず、お礼と一般的な案内にとどめてください。
出典: Google「マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー」、内閣府告示第19号(令和5年3月28日)、消費者庁 ステルスマーケティング告示の運用基準 第2、行政書士法 12条
6. まとめ
行政書士のSEOは、手続きの名前ごとにページを作り、その中身を業務範囲・申請取次・報酬額の掲示・事務所の登録に合わせていく作業です。公開前に確認するのは、次の5つです。
- 検索語: 手続きの名前を見出しにしたページがあるか。「ビザ」の通称と在留資格の正式な名前を両方書いたか。「行政書士 司法書士 違い」に答えるページが、業務範囲の境界を正しく書いているか
- 業務範囲: 条番号が2026年1月施行の新しい番号か。登記・税務・雇用関係の助成金・特許庁の手続き・争いのある事件を「対応可能」と書いていないか。提携先の会社のサイトに、書類の作成を引き受ける書き方がないか
- 手続きのページ: 許可を出す行政庁と事務所が引き受ける範囲を書いたか。申請取次の届出の有無をプロフィールに書いたか。補助金は「申請書類の作成支援」で、本人の申請を前提にしているか
- 料金と表示: 料金ページが事務所に掲示した報酬額表と一致しているか。報酬・実費・追加の条件を分けたか。「相場」「取得率」「必ず許可」「全額返金」「最安」がないか
- 事務所と口コミ: サイトとプロフィールの住所が登録した事務所の1か所か。ビジネス名が登録名どおりか。口コミの依頼に見返りや選別がなく、返信で案件に触れていないか
「街の法律家」のような表現、期間限定の割引や紹介割引、返金保証の打ち出し、事業者向けのページへの景品表示法の適用、第三者を介した在留資格の依頼、顧問先の口コミは、規定だけでは決まりません。所属の行政書士会か専門家に確認してから公開してください。
他の業種のガイドは「業種別SEO対策ガイド」でまとめています。
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
SEO対策しても検索順位が上がらない…なぜ?
検索順位が上がらない理由は、SEO対策の質が低いからです。
例えば、ユーザーの検索意図を無視したり、関連性の低いコンテンツを増やす、内部リンクの最適化など疎かにします。
この場合、SEO対策の質が下がります。
そうなれば、ページやサイト自体の品質が上がらないので、Googleに評価されづらくなります。
結果、検索順位が上がらないというわけです。
こうした悪い状況を回避する為に、サイトの欠点を調査して上位化に必要な対策をご案内します(無料)。
検索順位を上げたり、検索流入を増やすにはSEOが重要!


